AIチャットツール「チャネルトーク」のChannel Corporation、資金調達で技術開発を加速
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建設現場の建機レンタル品管理をデジタル化する「Arch」を運営する株式会社Archが、シードラウンドにて、第三者割当増資による5000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。これまでベータ版として展開していたArchの正式リリースも合わせて発表した。
今回のラウンドでの引受先は、インキュベイトファンド。
調達した資金は、サービス開発及びセールス強化に充て、Archのサービス拡充と導入企業の拡大を目指すとしている。
株式会社Archは、建設会社と建機レンタル会社を繋ぐアプリケーションで、レンタル品の見積もりから発注、現場での管理という全ての工程をデジタル化する。
建設現場で必要な建機は、クレーンやショベルカーから照明機器まで実にさまざまな種類がある。これまでは、建設が始まる際に現場担当者が複数ある建機レンタル会社に問い合わせをし、カタログに丸をつけてFAXで送るなどして一社ずつ見積もりを取っていた。各社の見積もり金額を自身のエクセルにまとめて比較するといったアナログな方法で対応するケースが多かった。また、建機をレンタルした現場では、建機の在庫管理や棚卸、返却作業も紙の帳票を使って行われるなど、非効率な業務が多く存在していた。
Archを使用すると、アプリ上で複数の建機レンタル会社の価格比較ができ、コストダウンにつながるだけでなく、従来の現場でのアナログな建機の管理業務も効率化することができる。
着工前から竣工後までの建機レンタルプロセスを網羅するArchは、発注先選定業務をサポートする「一括見積」サービス、電話での口頭注文によるトラブルをなくす「オンライン自動発注」サービス、現場内の管理を効率化する「在庫管理」サービスという3つのサービスから構成される。利用料金は、現場ごとの月額課金制でシンプルな料金体系となっている。
Archは建設会社のみならず、建機レンタル会社にもメリットをもたらしている。建設会社の最大のメリットは平均34%のレンタルコスト削減効果で、さらに見積収集と比較にかかる期間を76.6%削減できる。レンタル会社では新規現場獲得のためにかかる営業時間を2.5時間削減でき、飛び込み営業を無くすことから、営業担当者の心理的負担軽減効果も出ているという。
同社は、大手建設会社の安藤ハザマが主催するプログラム「安藤ハザマ アクセラレーター2021」に採択され、2022年1月より実際の建設現場にて実証実験を重ね、サービスの改善や有効なデータの取得に取り組んできた。安藤ハザマと複数の大手建機レンタル会社の協力のもと、双方から出た要望をサービスに反映した結果、有用性の高いサービスが完成し、今回のArch正式リリースに至った。
すでに建機レンタル業界トップの5社がArchに参画しており、建機レンタル市場の約40%をカバーしている。大手ゼネコン企業のトライアルも決定しており、今後の導入企業拡大が見込まれている。
今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 松枝直氏(写真右)と取締役COOの北山太志氏(写真左)に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。
―― Archを始めようと思ったきっかけを教えてください。
松枝氏:私は元々竹中工務店というゼネコンで6年半ほど現場監督をしていました。そのときにいろいろな建設業向けのサービスが出てきて、図面管理や工程管理などが効率化されていく中で、資材やレンタル品の管理はアナログで遅れているなと感じていました。
私自身も管理業務にとても苦労していたので、そこを解決するようなデジタルサービスを作りたいと考えました。私は建設現場サイドの知識しかなかったので、建機レンタル会社出身の北山とともに、双方の課題を解決できるようなサービスを作ろうということになり、2021年9月に起業に至りました。
―― 今後の長期的な展望を教えてください。
北山氏:我々は第一に「建設業をアップデートする」ということを目指しています。まずはこのArchというサービスを軸に、自動発注をもっと高度化し、各レンタル会社やゼネコン企業の基幹システムとの連携によって、さらなるサービスの向上を実現していきたいと思います。
ゆくゆくは、現場の資材管理の自動化やデータ分析による在庫や物流の最適化というところまで手を伸ばしていきたいと考えています。人手不足や長時間労働といった課題のある建設業界において、2024年4月には時間外労働規制も適用されるので、業務の効率化は急務になっています。
そのような課題解決のためには、ロボティクスやAIを搭載した自動機器の導入はどんどん進めていかなければならないにも関わらず、その下地ができていないのが実情です。まずは下地を私たちが作って、建設業界を最先端市場に押し上げていくことを目指します。一方で建機レンタル会社も、これらの最先端機器の担い手になっていくことが想定されますので、今後そのような取り組みでも建機レンタル会社の方々と協業していくことを構想していて、そういった領域でも縁の下の力持ちとして貢献していきたいと考えています。
松枝氏:今後、サービスの拡充を目指すにあたり、エンジニアの採用を強化しています。建設業界の現場で働く方々にとって、わかりやすいUI、UXの設計を目指すのはもちろんのこと、AIの開発にも力を入れていきたいと考えています。データ分析や機械学習の知識や経験をお持ちで、建設業界の課題解決に一緒に取り組んでいただける志をお持ちの方にご応募いただけたら嬉しいです。
株式会社Archは、建設業界向け建機レンタル品オンライン発注ツール『Arch(アーチ)』を提供する企業。 『Arch』は、建設事業者が建設現場にて使用する建機のレンタル業務の効率化を図るツール。同ツールは、建設事業者が複数のレンタル会社へレンタル品の価格見積依頼を行える一括見積機能およびオンライン発注機能や、レンタル品に関する在庫管理や棚卸、返却といった業務を管理できる機能を備える。
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