株式会社コンクルー

小規模建設会社向けのAI搭載オールインワン業務管理クラウド「コンクルーCloud」を提供する株式会社コンクルーは、One Capital、XTech Ventures等を引受先とする第三者割当増資によるプレシリーズAラウンドで総額1.7億円の資金調達を実施した。これにより累計調達額は約2.2億円となった。
コンクルーは小規模建設会社向けのAI搭載業務管理クラウド「コンクルーCloud」を開発・提供している。案件管理、顧客管理、見積作成、原価管理、発注、資料・図面管理、工程・チャット機能など幅広い建設業務を一つのシステムで統合し、特にAIによる見積書や各種帳票の自動読取・転記機能が特徴となる。2024年6月時点でサービスを開始し、導入企業・利用者は増加傾向にある。スポット工事の受発注も含め、建設業の業務デジタル化・生産性向上に資する事業進捗を見せている。リリース以降、約1年で累計利用者数2000名を突破している。
代表取締役CEOは白澤光純氏。白澤氏は大学院で宇宙物理の研究に従事し修士課程を修了後、日揮(現日揮ホールディングス)に新卒入社し、インドネシアやクウェートに駐在してWeb開発や事業開発を経験。その後、2023年にコンクルーを創業し、小規模建設会社を対象とした業務管理クラウドの立ち上げに取り組んでいる。
建設業界では就業者の高齢化や担い手不足を背景に、生産性向上や働き方改革が喫緊の課題となっている。中小建設会社を中心に業務のデジタル化が進行中であるが、中小建設会社を中心に業務のデジタル化が進みつつあるものの、業界全体としてはDX導入が依然として遅れているのが現状だ。資金やIT人材の不足が主な障壁とされ、補助金などによる支援ニーズが高い。実際の導入事例ではAIによる工程管理やペーパーレス化等で作業効率や人手不足解消につながったとの報告もある。また、国土交通省によるi-Construction 2.0やBIM推進、業務プロセス全体のデジタル化支援施策が展開されている。2024年度の建設現場DX市場は586億円に達し、今後もAI・オールインワン型クラウドの導入が広がる見通しとされる。
今回調達した資金は、コンクルーCloudにおけるAI機能の開発強化と、小規模建設会社の業務プロセスをエンドツーエンドで自動化・最適化するための基盤拡充に充てられる。
今後は構築済みの独自データ基盤とオールインワンアーキテクチャを活用し、見積作成や工程表作成など各業務領域の高度なAI機能を継続的に開発、建設業務全体の統合的な自動化を進める方針である。









