ドローン市場に黎明期から参入、サウジアラビアに子会社設立で世界を席巻へ

ドローン市場に黎明期から参入、サウジアラビアに子会社設立で世界を席巻へ

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KEPPLE編集部

空飛ぶクルマやドローンの開発、ソリューションを提供するテラドローン株式会社が、18.5億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

引受先は、サウジアラビアの国有石油会社であるアラムコが100%出資するベンチャーキャピタル、Wa‘ed。

今回の資金調達により、中東でのドローン事業を展開するテラドローンアラビアを設立し、現地の雇用創出、ドローン産業の振興、石油産業の効率化を目指す。

測量・点検サービスでドローンを普及し、運航管理へ

テラドローンは、測量、点検、運航管理を事業領域として、産業用のドローンのソフトウェア、ハードウェア、サービスを提供する。
サービス紹介資料
測量事業の対象は主に建設業界の土木領域で、設計に携わる建設コンサルタントや測量会社などの大手企業から中小企業、官公庁。ドローンによる測量支援や自社製のドローンレーザー測量機器「Terra Lidar」シリーズ、計測データ解析サービス「Terra Lidar Cloud」などを提供している。
点検事業の対象は主に石油・化学業界のタンクやボイラーなど。自社製のUTドローンを主軸とした各種点検ソリューションをハード・ソフト開発からサービスまで一気通貫で提供。直近は船舶点検へも活用が進んでいる。 

運航管理事業は、ドローンを始めとする多くの飛行体が、150メートル以下の低空域に存在するようになる2020年代後半を見据えている。航空機の位置情報や気象情報を用いて飛行計画の修正を行うほか、ドローンや空飛ぶクルマの運航を管理するUTM(無人航空機の運航管理システム)の活用で、安全かつ効率的な運航実現を目指す。

現在、測量・点検サービスの実績は、約10か国で3000件以上に上る。

今回の資金調達に際して、取締役 関鉄平氏に、アラムコからの出資の背景や今後の展望などについて詳しく話を伺った。

世界でのスケールを見据え、産業用にフォーカス

―― これまで、建設業界にはどのような課題がありましたか?

関氏:1964年の東京オリンピック以降に整備されたインフラは老朽化が進んでいますが、それを修復する生産年齢人口は減少する一方です。ニーズはあるのに供給が少ないため、生産性の向上が喫緊の課題となっています。建設業界の測量・点検業務においてドローンが果たす役割は大きいと考えています。

スタートアップスカウト

―― 創業のきっかけを教えてください。

私は2010年、テラモーターズの創業期から参画し、東南アジアに2年、インドに3年駐在しました。それぞれ事業を立ち上げて電動の三輪などを作ってきました。電動三輪は大きな市場でしたが、いかんせん参入が遅すぎたため、世界で大きくスケールするのは厳しいと思っていました。

そこで、新しい事業を立ち上げることとなり、最終的にドローン事業に決めました。すでに中国製のメーカーが、民間向けにフォーカスしたハードウェアを手がけていたので、同じ土俵で戦っても勝てません。私たちは軸をずらし、産業用のソフトウェアやサービスのビジネスで世界的に展開しようと、焦点を絞ることにしました。

サウジアラビアの次期経済成長の柱として

―― 今回、アラムコのVCであるWa’edからの資金調達に至った背景を教えてください。

サウジアラビア政府は、経済改革計画「サウジビジョン2030」を掲げています。石油依存型経済の脱却と雇用創出による持続可能な経済を目指し、次期経済成長の柱としてドローン産業の振興に注目しています。

当社の点検事業のお客様には石油・ガス関連企業が多く、アラムコの設備の点検も行っていました。アラムコは国を代表する会社としてサウジビジョン2030を遵守する中で、ドローンや空飛ぶクルマなどハイテク産業を強化したいという意向があり、私たちを含めた50社のドローン企業に声がかかりました。私たちのこれまでのグローバルでの実績と現地雇用の創出といったビジネスモデルを評価いただき選ばれたと考えています。

―― 資金の使途となるテラドローンアラビアの設立について教えてください。

テラドローンアラビアは、当社の子会社として今年中に設立予定です。現在、日本とインドネシアの子会社から、メンバーがサウジアラビアに駆けつけて準備を行っています。インドネシアとサウジアラビアは同じイスラム国家なので、コミュニケーションしやすいようです。

具体的には、テラドローン・インドネシアのオイルガス向け点検ソリューションや、オランダにある子会社のTerra Inspectioneeringの点検技術(非破壊検査)、グループ会社のUniflyの運航管理(UTM)プラットフォームが欧州ではNo.1の採用実績がある点など、私たちが持つ技術や人材をどんどん投入したいと考えています。

グローバル展開を前提としたソリューションで勝負

―― 今後の展望を教えてください。

まずは測量と点検の領域で、産業用ドローンの導入をさらに促進します。運航管理領域については、2025年の大阪・関西万博での実用化を下支えできればと思っています。

海外展開については、サウジアラビアから他の中東地域へ、また、オランダの子会社経由でアメリカへの進出も検討しています。

日本に最適化したソリューションを作りすぎると、世界では勝てません。まず世界で挑戦するからこそ、日本でも勝てると思っています。一足早くグローバル展開した企業の背中を追いかけながら実績を出し、「テラドローンができたなら、自分たちも」と思ってもらえる存在になりたいですね。

Terra Drone株式会社

Terra Drone株式会社は、建設業者などに向けてドローンを利用した測量や点検を行う企業。 同社は、ゼネコン・建設コンサル等からの案件を中心に、1,500件以上のドローン測量・点検実績を有する。インフラ点検のほか、石油・ガス施設の点検も請負う。 そのほか、同社はドローンの飛行経路などを管理するサービス『Terra UTM』を開発。『Terra UTM』は、ドローンの飛行計画の管理や飛行エリアの管理、他のドローンとの衝突を検知する機能が搭載。

代表者名德重徹
設立日2016年2月9日
住所東京都渋谷区渋谷2丁目12番19号東建インターナショナルビル3階
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