プロダクト開発の民主化を目指すテイラーが資金調達、Y Combinator で得た世界に通用する手ごたえ

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KEPPLE編集部


大企業向けの業務システム開発基盤「Tailor Platform」を提供するテイラー株式会社がシードラウンドにて、約5.7億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、グローバル・ブレイン、Y Combinator。

調達した資金は、サービス開発の強化や採用に充てるとしている。

業務システムを高速で開発するバックエンド基盤を提供

テイラー株式会社は2021年7月に、柴田陽氏と高橋三徳氏が創業。両氏は、株式会社スポットライトを共同創業しており、2013年に楽天に売却している。その後、柴田氏は連続起業家として株式会社クラウドポート(現・ファンズ株式会社)を共同創業、高橋氏は株式会社メルカリの研究開発組織「mercari R4D」の責任者を務めた。

同社は「誰もがデプロイできる社会を創る」をミッションに掲げ、大企業向けに、個社ごとにテイラーメイドされた業務システムを高速で開発できるバックエンド基盤を提供している。

近年、企業がDXを進める必要がある中で、レガシーな基幹システムがDXの妨げになっているケースが多く見られる。巨大化した、モノリシック(※)なシステムのため改修に時間とコストがかかることから投資がためらわれるとともに、技術的負債などによりシステムが不透明で把握しづらい状態に端を発した情報の非対称性が、内製化やDX人材育成の阻害要因になっている。
(※)モノリシック:構造が要素に分割されておらず、全体が緊密に一体化している様子。

同社が提供するTailor Platformは、さまざまな業務システムにおける共通のバックエンド機能をAPIとして提供。企業が求める機能のうち、個別にカスタマイズが必要な部分だけを開発し、限りあるエンジニアリングリソースを必要な部分に集中することを可能にする。さらに、システムの裏側の仕組みを透明化し、エンジニア以外でもシステムの構造を理解した上で、プロダクトづくりに参加できる世界を目指す。

企業の既存の基幹システムが社内で大きな課題の一つであることはグローバルで共通だ。そのため、日本と米国で異なる側面はありつつ、APIベースの基幹システムは大きなトレンドだという。

サービス紹介資料(写真右:柴田陽氏、写真左:共同創業者 CTO 高橋三徳氏)

同社によると、すでに有償にていくつかの企業に利用されながら、プロダクトの開発を進めているという。現在は、同社が要件定義など上流工程から担い、Tailor Platform を使いながら基幹システムへの実装を行っているが、今後は、SIerなどパートナー企業と連携してサービス提供していくことを予定しており、2023年に米国から開始する予定だ。

今回の資金調達に際して、代表取締役 柴田陽氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

世界に通用する手ごたえを得て、日本を代表するソフトウェア企業へ

―― 大企業向け業務システム開発基盤を事業として選択した理由を教えてください。

柴田氏:当社には「プロダクト開発の民主化」という最終的なビジョンがあります。

私自身はエンジニアではなく、ビジネスサイドのバックグラウンドで、エンジニアのみなさんの協力を得てプロダクト開発に携わってきました。そのような中で、ここ15年ほど、ずっと世の中のエンジニアの需要と供給のバランスが悪いことに苦労してきました。作りたいプロダクトやツールがたくさんある一方で、それに取り組みたくても二言目には「エンジニアが必要」となる状況はあまり健全ではなく、また、世の中を見渡しても希少なリソースが解決すべき問題に割り当てられているとも思えない状況もありました。

かつてはウェブサイトを作るのにエンジニアが必要でしたが、今やランディングページ程度であれば誰でも作れるようになっています。また、サーバも同じで、いまやネットワークエンジニアである必要はなく、AWSでソフトウェアエンジニアがインフラを組み上げられます。そのようなソフトウェアの歴史の中で、今後は業務システムにおいても同様になるだろうと考えました。

業務システムをビジネスサイドの人であっても、プロダクトづくりに携われるようになれば、きっと世界はもっと良く進んでいくだろうし、これは大きな流れだと思うので、非常にやりがいのあるテーマとしてこの事業を選択しました。

―― 今回 Y Combinatorに参加した経緯を教えてください。

今回やるスタートアップはグローバルなスタートアップにしたいという思いがあり、その足がかりとして、以前からY Combinatorはとても良いプログラムだと思っていましたので、応募することは起業の時点で既に決めていました。

スタートアップの初期においては、「このチームは上手くいくだろう」という期待を集めて、それをテコに具現化していくというフェーズが必要です。それをアメリカでやろうと思った時に、日本人が何もない状態で行って、他にも多くのスタートアップが存在する中で、注目を集めることは非常に難しく、しっかりと人々のレーダーに映ることが大切です。そのような場として Y Combinator はおそらく世界で一番優れた手段だと思うので、上手く使おうと思いました。

また、私自身、日本で数社を起業したファウンダーとして、これまでに学んできたことはありますが、例えばアメリカのAirbnbの経営陣と比べて、自分が十分足りてるかというとそうも思えないし、まだまだ学べることはたくさんあるだろうと考えています。Y Combinator のような環境に身を置くことは、自分自身のスキルアップだけでなく、会社のレベルを上げることにおいても意味があると思いました。

―― Y Combinator に参加してみての所感を教えてください。

プログラム参加中から結構いいなと思っていたのですが、Demo Day に参加して「めちゃくちゃ良かったな」という感想に変わりました。日本発のスタートアップとしてではなく、フラットに世界中にあるスタートアップの一つとして、人々に期待してもらえるという感覚が得られました。端的に言うと「通用しそうだ」と思えたのが大きいですね。

Demo Dayの前後からは、VCを始め、さまざまな企業のパートナーからお声がけいただきました。その方々から、純粋に事業の内容、そしてアメリカのマーケットで通用するかどうか、という尺度だけで見た上で、声をかけてくれている、人々に期待してもらえているという Y Combinator ならではの感覚が得られました。

―― 今後の中長期的な展望を教えてください。

まずは、今作っているプロダクトを世界中の開発者の方々に提供できるようにするというのが当面の目標になっており、2023年中には達成できるのではないかと考えています。

当社としては、少なくとも日本を代表するソフトウェア企業になれるように、と考えています。短期的な目線では考えておらず、15年かかってもいいので、数兆円規模の企業を作ることにフォーカスしています。

製品自体はグローバルに提供するため、日本は数あるマーケットのひとつという位置づけで取り組んでいます。スタッフも基本的にはバイリンガルですので、今は日本にいるけれどグローバルなオーディエンスに対してソフトウェアを作っていきたい、という方と一緒に働ければと思っています。

テイラー株式会社

テイラー株式会社は、大手企業向け基幹業務システム開発プラットフォーム『Tailor Platform(テイラープラットフォーム)』を開発・提供する企業。 『Tailor Platform』は、企業が自社にマッチする基幹業務システムをローコードで構築できるプラットフォーム。同プラットフォームの主要機能はAPIとして提供されるため、企業はシステムにおいて個別にカスタマイズが必要な部分だけを開発することができる。またローコード構築により、企業は開発したシステムのブラックボックス化防止や、現場のニーズに合わせたツールのアップデートを図れる。

代表者名柴田陽
設立日2021年7月19日
住所東京都渋谷区渋谷2丁目6-11
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