管理会社が賃貸物件を直接掲載、手数料を抑えた部屋探しを実現

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KEPPLE編集部

オンライン賃貸プラットフォーム「airdoor」を運営する株式会社エアドアがシリーズAラウンドにて、J-KISS型新株予約権の発行による総額1.5億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、ディープコア、HAKOBUNE、DNX Venturesの3社。

今回の資金調達により、掲載物件数の拡大とユーザー満足度の向上を目指す。

次世代の部屋探しプラットフォーム

airdoorは、オンラインで賃貸物件の入居申し込みができるサービスだ。

管理会社のデータベース情報を掲載することで、入居者となるユーザーの仲介手数料を抑えられる。最新の物件情報をもとに、仲介会社の店舗に出向くことなくオンラインで契約まで完結することが可能だ。

サービスイメージ
2020年2月にリリースし、70社の提携管理会社が持つ約140万戸のうち、東京と神奈川の空室物件を掲載している。これは全国の民間賃貸戸数1500万戸の約10%にあたる。

今回の資金調達に際して、代表取締役 鬼頭 史到氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

ユーザーフレンドリーでない部屋探しの仕組み

―― これまで、不動産賃貸業界にはどのような課題がありましたか?

鬼頭氏:ユーザーが部屋探しに利用する既存ポータルサイトの情報は、管理会社が業者間で共有した物件情報をもとに、仲介会社が各々で入力しています。どんなポータルサイトにも、同じ物件の情報が重複して掲載されているのはそのためです。また、仲介会社により掲載される物件はリアルタイムではないため、既に成約済みの物件が掲載される、通称「おとり物件」が表示されているケースも少なくありません。正確性を期すためにも、仲介会社の店舗に出向く必要がありますが、ユーザーの多くは物件を内見するまでの時間がもったいないと考えています。今は、正しい情報を得て部屋を決めてから、成約するまでをスムーズに進めることができていません。

多くの管理会社は、ここ10年ほどの間に一気にシステムを導入し、データベースを構築しました。また現在では、2017年の法改正により、賃貸契約の際の重要事項説明はオンラインで行えます。仲介会社は少しずつ管理会社へとシフトしており、今では当社サービスを利用するクライアントです。不動産業界へのシステム導入が進み、当社としては、サービスに取り組みやすい環境が整ったと感じています。

エアドアが取り組んでいるのは、部屋探しから成約までの仕組み作りです。ポータルサイトの物件情報も管理会社だけが登録できるようにすることで、物件の重複を防ぎます。無駄を省き、工数を削減することで手数料を抑えられることでも、ユーザーのペインを解消できると思っています。

スタートアップスカウト

―― airdoorを始めようと思ったきっかけを教えてください。

大学のダンスサークルで代表を務め、少人数から100人くらいまで規模を拡大したことに生きがいを感じていました。サークル活動で経験した組織作りや、高い目標をみんなで一緒に越えることに、社会人になっても取り組みたい。そう考えて、ゼロベースから仲間と一緒にサービスを作り、世の中に提供する起業家を目指していました。

新卒当時、最短距離で起業に到達したいと思い、勢いのあったベンチャー企業に入社し、そこで偶然不動産SaaS事業に出合いました。9年勤める中で、不動産業界のさまざまな課題を解決し、業界もだいぶ変化しましたが、部屋探しの仕組みはほとんど変わりませんでした。これではユーザーに不動産業界は遅れていると思われてしまいます。

私は不動産業界が好きで、この業界で生き続けると決心した時に、自分たちで変えられるチャンスがあるなら、これまで考えていたものを具現化しようと、この業界で育った仲間と一緒にスタートしました。

部屋探し = airdoorの認知獲得を目指す

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

サービス提供から1年で、ユーザーからいい反応をいただき、改めてニーズの大きさを感じています。主な資金使途は、掲載物件数の拡充と、ユーザーの問い合わせから成約までの流れにおけるCS、オペレーションの強化です。

具体的には、パートナーである提携管理会社の拡大と、営業、システム開発メンバーの採用強化を考えています。現在20名の従業員を、状況を見ながら10名程度増員する予定です。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

今夏のサービスリニューアルに向けて検証を重ねながら、物件掲載エリアを現在の東京と神奈川から、埼玉、千葉にも拡張したいと考えています。その後は広告による認知拡大と、エリアについても首都圏から地方の主要都市に広げて物件数を拡充する計画です。1年半で全国1500万戸の25%にあたる、約420万戸に増やすことを目指しています。

中期的には、部屋探しから引越し後の手続きに至るまで、ユーザーに「部屋探しの時にairdoorがあればいい」と思ってもらえるプラットフォームが作れればと思っています。

株式会社エアドア

株式会社エアドアは、住宅賃貸プラットフォーム『airdoor』を運営する企業。 『airdoor』は、利用者がオンラインで物件の内見や契約をすることができる住宅賃貸プラットフォーム。手続きのオンライン化により、仲介手数料の削減を図る。

代表者名鬼頭史到
設立日2020年9月28日
住所東京都渋谷区渋谷3丁目26番16号第五叶ビル5F
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