暮らしを想像した部屋選び、不動産市場に新風を吹き込むバーチャルインテリア

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KEPPLE編集部

3DのVRインテリアデザインを提供する、株式会社カラーアンドデコがシリーズAラウンドにて、第三者割当増資による2.2億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、インクルージョン・ジャパン、NES ベンチャーキャピタル、吉銘、アンビション・ベンチャーズの4社。

今回の資金調達により、営業体制の強化やAIを活用した機能開発を進める。

物件写真にインテリアイメージを加える

物件の写真や図面をもとに、最短3時間でインテリアを配置した物件写真を制作する。バーチャルインテリアやVRバーチャルモデルルームを利用することで、ユーザに暮らし方や住んだイメージをわかりやすく伝えることができる。

物件写真

物件写真

バーチャルインテリア配置後の物件写真

バーチャルインテリア配置後の物件写真

バーチャルインテリアを活用することで、通常のモデルルームやホームステージングと比べて低コスト化を実現し、これまでに1700社以上が同社サービスを利用している。今後は建材メーカーやリノベーション業者へのサービス提供を強化し、2026年にはIPOを目指す。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 加藤 望美氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

形式的な不動産査定に疑問

―― 創業のきっかけを教えてください。

加藤氏:10代の頃から、自分自身で世の中を変えるようなサービスを創りたいという思いを抱き、常識にとらわれず独自のアイデアを生み出すタイプでした。その後、デザイナーになる夢を追い、独学で学びながら自身の最初の会社を起業し、カタログやWebデザインなどの制作に携わっていました。

自分が住んでいて大変気に入っていたマンションを売却する機会がありました。複数の不動産会社に査定を依頼しましたが、提示された査定額が想定より低かったんです。魅力的な部屋であるにもかかわらず、駅からの距離や部屋の方角や広さなど、表面的な要素で査定されてしまうことに疑問を感じました。

価格に納得できずに調べたところ、アメリカやヨーロッパなどでは不動産の売買時に、インテリアコーディネートをした状態で内見するホームステージングが一般的であることを知りました。こうした物件のバリューアップは日本ではまだ一般に普及しておらず、自らが実現しようと考えてホームステージングジャパンを設立しました。

不動産業界からの関心も高く、徐々にホームステージングの普及も進んだ一方で、高級物件以外にマーケティングコストをかけることは難しいとの声もありました。バーチャルインテリアを活用すればコストを下げることができると考え、事業をスピンアウトしてカラーアンドデコを創業しました。

スタートアップスカウト

―― これまで、不動産物件販売の課題にはどのような課題がありましたか?

日本では、インターネットでの物件探しが非常に増えてきています。海外では、不動産売買についても、6割程度が物件に直接足を運ばずに購入しているようです。こうした中、賃貸物件を探す人は、インテリアのない空室の写真をインターネットで見ても契約後の生活がイメージできません。

不動産会社も、物件をインターネット上で魅力的に見せることができないと、入居者が決まらずに空室が増えてしまいます。これまでもホームステージングの重要性は業界内で認知されていましたが、手間がかかるためあまり普及してきませんでした。

特に賃貸では今後、内見をせずにインターネット上の情報で契約を決めることが増えると予想されるため、バーチャルインテリアの活用が重要です。
 
―― バーチャルインテリアサービスの特徴を教えてください。

スマートフォンなどで撮影した部屋の写真を送信いただくだけで、最短3時間でインテリアを配置した画像を提供しています。バーチャル上に配置する家具は全て市場で販売されている商品であり、実際に購入できる点は大きな特徴です。

また、個別のインテリアコーディネータがご相談に応じる体制を整えています。加えて、充実したインテリアデザインパッケージを、自動で物件写真上に配置できる点も強みです。

バーチャルインテリア配置イメージ
不動産会社には、バーチャルインテリアを利用することによる空室期間の短縮化や、物件の魅力や賃料を引き上げることにご好評いただいています。実際に、半年間空室だった物件が、サービスの利用から2週間で契約に至ったケースもあります。

誰もがデザインから不動産を選ぶ未来へ

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

今回の資金調達により、バーチャルインテリアやホームステージングの認知を広げるための営業体制を強化します。さらに、AIの開発を通じてレコメンド機能やインテリアの自動配置、実際にインテリアの購入も可能にするなど、消費者の利便性を向上させると同時に、不動産業界の営業プロセスを効率化したいと考えています。

これまでは開発の人員が主でしたが、営業の採用も積極的に進めながら、上場までに100名規模の組織体制を目指しています。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

今後1年では、AIを活用したバーチャルインテリアの自動化を目標としています。具体的には、顧客から送られてきた写真を瞬時に解析し、最適なインテリア配置を実現します。また、インテリアメーカーや建材メーカーとの連携を強化することで、最適なインテリアを選択し、完成系をイメージした家探しができるよう取り組み、2026年にはIPOを目指します。

バーチャルインテリアイメージ
日本に近い間取りサイズのアジア地域から、海外へ展開していくことも検討しています。海外物件へのバーチャルインテリアの活用はもちろんですが、海外の人が日本の不動産を選びやすくなるような体験を届けることには、すぐにでも注力します。

アメリカでは、バーチャルインテリアを活用した不動産広告が一般的になっていますが、まだ商品をそのまま購入するまでの実現には至っておりません。そのころには実際に住む人が自身でインテリアをシミュレーションし、デザインから家づくりまで完結できるような環境を目指して取り組みます。住宅を販売するだけではなく、お客様の生活や暮らしなど人生をサポートしていくという考え方に共感していただける企業と連携できれば幸いです。

株式会社カラーアンドデコ

株式会社カラーアンドデコは、物件の写真や図面から3DCGインテリアパースを制作する企業。 同社は、売買・賃貸物件の写真や図面から制作した3DCGパース上に家具を配置し、インテリアイメージをビジュアル化するサービスを運営。また、3DCGを使ってインテリアコーディネートを提案し、家具を販売する。 このほか、物件写真を加工し、写り込んだ居住者の私物や工事用の足場などを消すサービスがある。

代表者名加藤望美
設立日2019年7月4日
住所東京都港区港南2丁目16番1号
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