世界を揺るがせたChatGPTの登場
2022年11月末、米国企業のOpenAIが対話型AI「ChatGPT」をリリースし、世界に衝撃が走ったことは記憶に新しい。ユーザー数はわずか2ヶ月で1億人を突破し、3月には後継モデルのGPT-4が有料サービスとして提供が開始された。
現在では世界中で多くの生成AIサービスが乱立している。そして先日、日本政府は生成AIを幅広い分野で有効活用していくために、関係省庁による検討チームを設ける方針を固めたことを発表した。
国内でもnoteや弁護士ドットコムなど、ChatGPTを活用したサービスを開始する企業が続々と出始めており、その波はスタートアップマーケットにも押し寄せている。
スタートアップ6選
今回はChatGPTを活用したサービスを提供する未上場のスタートアップ6社を紹介する。
株式会社リーディングマーク
HRプラットフォーム「ミキワメ」を運営する企業。 「ミキワメ」は、人の性格と心の幸福度を可視化するアルゴリズムで、データを元に採用や社員のマネジメントを改善。ミスマッチ採用や休職・退職者を減らし、企業のウェルビーイングの実現を目的としたプラットフォーム。 同プラットフォームには、企業の社風を分析し、分析結果と候補者の受検結果を照合し企業にあった人材を見極める「ミキワメ適性検査」や、社員個人のメンタル状態を可視化し、検査結果に応じたマネジメントの仕組みを提供する「ミキワメウェルビーイング」などのサービスがある。
2023年5月には、ChatGPTを活用した新機能「ミキワメAI」をリリースした。これにより、人事やマネージャー、従業員一人ひとりに最適なアクションを提案し、従業員のウェルビーイングの実現、組織全体のパフォーマンス向上に寄与することを目指す。
株式会社リーディングマーク
設立:
2008年
企業HP:
株式会社IVRy
電話自動応答システム(IVRシステム)を作成し利用できる「IVRy」を運営する。 IVRyは、クラウド上で電話自動応答システムを作成し、電話業務の一部を自動化することができるサービス。 同サービスは、これまで個別に行われてきた自動応答システムの開発をクラウド経由で提供することで、システム開発と利用にかかるコストの削減やシステム作成時間の短縮を実現する。
2023年3月には、ChatGPTと電話で会話ができる「電話GPT」を開発し、無料体験デモを一般公開した。今後も、IVRy利用者の独自データを利用し、「大規模言語モデル×独自データの組み合わせ」を行うことによって、顧客体験およびクライアントの生産性のさらなる向上の実現を目指すべく、機能開発強化を進めている。
株式会社IVRy
設立:
2019年
企業HP:
株式会社overflow
副業支援に関するメディアやサービスを運営するスタートアップ。 同社は、ハイクラスエンジニアやデザイナーに特化した副業・転職マッチングプラットフォーム「Offers(オファーズ)」や総合副業メディアの「Offers Magazine」を運営する。 そのほか、顧客のメディア運営を支援する「for Reader」や、クレジットカード・保険・投資・ローン・家計の節約・ふるさと納税・各種税金などに関する情報を掲載する総合情報サービス「Fincy」などの運営を行う。
2023年3月には、OffersにおいてChatGPTを活用し求職者のアピールポイントを自動生成する機能を追加した。本機能により、ITエンジニア/デザイナーのプロフィール情報入力の手間を削減し、企業とのマッチング精度向上に役立てていくという。
株式会社overflow
設立:
2017年
企業HP:
株式会社Srush
セールスエンゲージメントツール「Srush」の開発・運営・販売に取り組む。 Srushは、法人営業やルートセールスに従事する担当者と顧客との関係性を数値化できるツール。メールでのコミュニケーションデータやカレンダーの商談データなど、取得した営業活動データをAIが認識し、機械学習を用いてスコアリングする。
同社は2023年3月、SrushにChatGPTを活用したデータ分析自動化機能を追加した。Srush上に連携されているデータに対して、文書形式の指示を出すだけで、分析結果が自動生成される。この機能によって、従来よりもはるか簡単にデータ分析を促進することが可能となった。
株式会社Srush
設立:
2019年
企業HP:
株式会社EC-GAIN
ソーシャルコマースプラットフォーム「pippin(ピッピン)」を運営するスタートアップ。pippinは、3500人を超える幅広いジャンルの専門家や有識者がおすすめ商品を通じて専門知識の情報発信、販売を行うソーシャルコマースプラットフォームだ。商品を販売するクリエイターは在庫を抱えることなく、無料で自分だけのセレクトECショップを簡単に作ることができ、フォロワーやpippinのユーザーによる購入によって収益を得ることができる。
2023年3月には、ChatGPTを活用しpippinにおける商品説明文を自動生成する機能を追加した。この機能により、ブランドやクリエイターは高品質な商品説明文を瞬時に生成できるようになり、消費者の購入率や満足度向上につなげていくことを目指す。
株式会社EC-GAIN
設立:
2016年
企業HP:
株式会社トドオナダ
ウェブメディア記事のモニタリングや分析・集計などができるサービス「Qlipper(クリッパー)」を運営するスタートアップ。 Qlipperは、ウェブメディア記事のページビュー、論調、Twitterの波及数の計測や、クリッピング、競合比較、話題の明るさ分析など、AIを活用したリアルタイム集計ができるサービス。同サービスは、Twitter、YouTubeのモニタリングを同時に行うこともできる。
2023年4月には、 QlipperにChatGPTを活用した原稿の自動作成機能を追加した。さらに、キーワードの印象評価、効果的な配信日とメディアの提案、Webニュースモニタリングと連動したカレンダー機能も加わり、広報活動のDX化とPR戦略の改善を推進する。
株式会社トドオナダ
設立:
2020年
企業HP: