言語AIプラットフォームのコンシェルジュ、ChatGPT事業推進で創る新たな価値提供

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KEPPLE編集部

企業の業務効率化、マーケティングを支援する言語AIプラットフォーム「KUZEN(クウゼン)」を開発・提供する株式会社コンシェルジュがシリーズA2ラウンドにて、第三者割当増資と融資による総額4.7億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、東京大学エッジキャピタルパートナーズ、INNOVATION HAYATE V Capital投資事業有限責任組合、NCBベンチャーキャピタル、ベクトルの4社。
融資における借入先は、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫などの金融機関。

今回の資金調達により、開発人材を中心に採用を強化し、「ChatGPT」関連事業などさらなる機能拡充を推進する。

LINEからChatGPTまで活用する言語AIツール

KUZENは、高性能AIチャットボットをノーコードで構築できるSaaSプラットフォームだ。
カスタマーサポート、 マーケティング、社内コミュニケーションの自動化などに対応し、企業のDX化を実現する機能を提供。現在、約400社の企業に導入されている。

KUZEN
サービス開始当初はAIチャットボットを主軸に大企業の業務効率化を支援をしていた同社は、対話型マーケティングの需要の高まりを受け、LINEを活用した企業のマーケティング支援も積極的に展開。LINE内外で収集したデータをもとにセグメントを生成し、個々の顧客に最適化されたコミュニケーションをLINE上で実現。顧客獲得から育成、解約防止まで、LINEを最大限にマーケティングに活用することができる。

さらに、ツールの提供だけではなく、カスタマーサクセスによる運用サポートにより、企画立案、施策実施から分析・改善までワンストップで共に取り組める体制を整えている点が同社の強みだ。

2023年3月には、ChatGPTを活用した取り組みを開始。KUZENとChatGPTとの連携により、ウェブサイトのURLをKUZENに登録するだけでコンテンツを理解し、ユーザーの質問に回答できるようになった。

また、ChatGPTのインターフェースとしてKUZENを活用し、よりスピーディな業務効率化の実現が可能となった。さらに社内イントラネットやMicrosoft TeamsなどでのChatGPTの利用を推進することにより、社内外での業務プロセス改善と生産性向上の実現を目指す。現在、複数の大企業とPoCを進めており、今秋のChatGPT機能の実用化に向けて取り組んでいる。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 太田 匠吾氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

対話インターフェースとAIに見出した勝機

―― 御社のプロダクトの特徴について教えてください。

太田氏:今後さらに日本の人口が減少していく中で、労働力不足は大きな課題です。さまざまな業務を自動化し、効率化することに各業界が取り組まなければならない状況です。

そこで、私たちは、ITソフトウェアを活用して業務負担の軽減に貢献したいと考えています。今まで人手が必要であった作業を、対話インターフェースを活用したDXにより効率化することを推進しています。

人間はコミュニケーションにおいて、相手を思いやりながら適切に対応することができます。一方でロボットは一瞬にして大量のメールを処理するなど、人間には難しいタスクを遂行することが可能です。人間にしかできない仕事とロボットによる作業に適しているタスクをうまく組み合わせ、私たちのサービスを通じてロボットが人間に近い形でコミュニケーションができるようにすることを目指しています。

スタートアップスカウト

―― KUZEN開発のきっかけを教えてください。

設立当初、別のサービスを提供しようと考えていましたが、そのサービスは小規模ビジネスになる可能性が高いと判断し、新たなアイデアを模索していました。我々の製品が広く普及することで、社会を成長させるビジネスモデルを作りたいと考えました。

そこからKUZENの開発に至ったきっかけは二つあります。一つは、2016年に対話インターフェースを使用した自動化が可能になったことです。具体的には、FacebookのメッセンジャーがAPIに対応したというニュースが入ってきました。対話が自動化されることによって、企業が独自のアプリを作成せずに、対話インターフェースだけで業務を完結できる可能性があると考えたことがきっかけです。

二つめは、同時期にAIのディープラーニング技術が一定の成果を上げはじめたことです。AIという革命的なテクノロジーが登場したことは、世界を変える要素となる可能性があると考えました。AIの開発は非常に複雑で、高度な数学的知識が必要ですが、そのような難しい課題に取り組むことが私自身好きであり、面白そうだと感じたことも理由の一つです。

その後、大学の同級生だった白倉に声をかけて、共同創業することになりました。

顧客満足度の高い機能価値提供を目指して

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

主に、人材とマーケティングに投資をしていきます。人材に関しては、顧客満足度をさらに高めるためのカスタマーサクセス部門の増強、またお客様からの要望に応えるプロダクト開発のための開発組織の人材採用を強化していきます。ChatGPT関連の事業推進のためにも開発力の一層の磨き込みが必要です。さらには、IPO準備のためのコーポレート人材についても採用を進めていく予定です。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

取引は順調に増えていますが、まだまだお客様のニーズに完全に応えられていない部分もあります。まずは顧客ニーズに沿ったプロダクト開発を重点的に強化し、さらに顧客満足度の高い製品を安定的に供給することを目標としています。

当社は対話の自動化を中心に付加価値を提供していますが、さらなる機能拡充のために、外部CRMツールとの連携や顧客情報をリアルタイムに活用できる機能など顧客目線で必要な機能の開発を進めます。また、マーケティング機能においては、既存の顧客へのアプローチが主体ですが、それよりも前工程である集客手段や初めて接触する顧客へのタッチポイントの改善などの課題にも積極的に取り組み、KUZENのさらなる機能価値向上を目指します。

そして、将来的にはLINEのみならず世界中のさまざまなチャットアプリにも対応していきたいと考えています。

注目領域でのさらなる進化への取り組み

現在、対話型の言語AIなどの注目を浴びているインターフェース技術は、非常に興味深いフェーズに入っています。技術革新は確実に進展しており、今後さらなる進歩が予想されます。このような領域に取り組むことは、大変刺激的なチャレンジです。最先端のテクノロジーを活用し、顧客にさまざまな付加価値を提供できるビジネスを共に作りあげていただける方にぜひご応募いただければと思います。

株式会社コンシェルジュ

株式会社コンシェルジュは、企業の業務効率化・マーケティング支援を行う言語AI(人工知能)プラットフォーム『KUZEN(クウゼン)』の開発・運営を行う企業。 『KUZEN』は、「LINE」を活用した集客や顧客管理などのマーケティング支援や、ノーコードで利用できるAIチャットボットで社内外の問い合わせ対応を自動化する機能を備えるプラットフォーム。同プラットフォームは、「LINE」での会員情報の属性や、行動履歴などに基づいたセグメント設計に応じて、ユーザーごとの配信などを行う。外部ツールとの連携による顧客ニーズの一元管理なども可能だという。また、AIチャットボット機能では、「ChatGPT」と連携することで、ウェブサイトのURLを『KUZEN』に登録すれば、同プラットフォーム上でユーザーが行った質問に対し、サイト上のコンテンツを理解した回答を自動的に行うチャットボットの開発中。ChatGPTとは、米国の「Open AI社」が開発した、AI(人工知能)を使ったチャットサービスのこと。

代表者名太田匠吾
設立日2015年2月6日
住所東京都千代田区神田三崎町3丁目8番5号
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