NPO運営をDXで支えるコングラントの次なる一手

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KEPPLE編集部


NPO団体のための寄付決済・支援者管理サービス「congrant(コングラント)」を運営するコングラント株式会社がプレシリーズAラウンドにて、第三者割当増資による1.6億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、ジェネシア・ベンチャーズ、福留大士氏。

今回の資金調達により、NPOデータベースを構築し、寄付を検討する企業向けの新サービス拡充を目指す。2023年3月の公開を目標に、100団体の情報を整備中だ。

NPOの寄付決済と支援者管理のプラットフォーム

2017年にサービス提供を開始したcongrantは、NPOを始めとする非営利団体がオンライン上で寄付金を集められるデジタル・ファンドレイジングシステム。寄付募集から決済、寄付者の情報管理までをワンストップで行えるサービスを提供している。現在、1400以上の団体に導入されており、2022年11月現在で累計寄付額は36億円にのぼっている。

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さらにcongrant BIZとして、企業からの寄付や協賛を呼び込むための取り組みも始めている。今回発表したNPOデータベースでは、活発に活動し社会課題解決に資する「インパクトNPO(※)」の情報を収集することで、寄付や協賛先を比較・検討したい企業にとって価値のあるサービスを目指す。

(※)インパクトNPO:団体規模の大小に関わらず、特定領域の社会課題解決のための事業活動を継続的に行い、かつ将来的に社会課題解決を広範囲に伝播できる可能性を秘めたNPO組織を総称してコングラントが定義。(既に広範囲でインパクトをもたらすNPOも含む)

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代表取締役CEO 佐藤 正隆氏に、業界の課題や今後の展望などについて詳しく話を伺った。

寄付集めや管理業務のDXで、本来の活動にフォーカスできる

―― これまで、NPO業界にはどのような課題がありましたか?

佐藤氏:NPOなどの非営利団体は法人格で13万法人、任意団体も含めると20万団体以上あると言われています。NPOは、日本国内でさまざまな社会課題の渦中にあり、何らかの困難に陥っている人々の支援活動を行っています。活動資金となる国や自治体からの助成金・補助金は使途に制限があるので、支援活動には寄付金集めが必要です。財源の20%程度が寄付金であれば活動の自由度も上がり、持続的に社会課題の解決に取り組めます。

しかし、自分たちの活動で手一杯で、寄付の募集、決済、寄付者の管理、フォローアップなどには、なかなか対応しきれていないNPOが多くありました。そこで私たちは最初の切り口として、即時利用可能な寄付決済システムからスタートしました。ただ、いまだにホームページに寄付先として銀行口座を載せている団体や、そもそも決済システムを導入できると思っていない団体も少なくないため、私たちはcongrantの認知拡大と、普及に努めています。

―― 寄付をする企業側の課題はありますか?

日本では、企業寄付だけでなく協賛での出資も多く見られますが、上場企業などは寄付先を固定化しがちです。今後は、企業にとってリーチしにくいミクロな社会課題の解決について、NPOと連携して間接的に支援することも必要です。

しかし、企業がNPOに関する情報収集をしようにも、今は十分なデータベースがないのです。NPO業界はずいぶん遅れていて、オンラインで検索できるデータベースや、企業とNPOがマッチングされるプラットフォームもありません。それならば私たちが作るしかないと考えて、congrant BIZに着手しました。

―― congrantを始めようと思ったきっかけを教えてください。

私はもともとWebサイト制作やシステム開発などの仕事をしていました。2015年にNPOのWebサイトづくりのお手伝いをすることになったのが、そもそものきっかけです。

NPOのWebサイト制作の過程で「なぜクレジットカード決済を入れないのか?」という疑問が出てきました。当時のクレジットカード業界には、寄付金の決済はリスクがあり、トラブルが起きたら大変だから、やらない方がいいという慣習があったようです。そのため、法人格があっても審査に通らないNPOが少なくありませんでした。

そこで考えたのが、私たちがNPOとカード会社の間に入って交渉することです。寄付・会費において当社がすべての責任を負い、私たちの審査を通った団体は即日で5ブランドのクレカ決済を使えるようにしました。日本で初めての事例です。

―― それまでは、対面や銀行振込などアナログな方法での寄付集めが主流だったのですね。

以前からの課題でしたが、特にコロナ禍以降は、対面で寄付を集めるのは難しくなりました。やはり、クレジットカード決済やオンラインでの申し込みが効率的です。コングラントを導入して寄付が増えたという団体も多くあります。NPOは当然、資金を大事に使っています。それならば、時間も大事にした方がいい。効率よく寄付を集めれば、支援にかけられる時間が増えます。

私たちには、デジタル・ファンドレイジングのシステムを通じてNPO業界を底上げし、アップデートする役割があります。NPOと企業のマッチングや、企業からの信頼で資金を得られた実績が、次のファンドレイジングに繋がります。小さな団体にもどんどん資金が循環すれば、私たちの見えないところでさまざまな社会課題を抱える人が助かるかもしれません。

NPOの資金が循環すれば業界が変わる

―― 資金調達の具体的な使途について教えてください。

NPO団体の調査を行うチームを、現在の3名から10名に拡大する予定です。社会的に情報が不足しているNPOデータベースの構築は、大企業からのニーズもあり、信頼も得られると考えています。情報収集のため、実際に各団体の事務所を訪問することも検討しています。また、エンジニア採用も強化し、企業のニーズ次第でさらなる機能開発も進める予定です。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

直近の3年はcongrantのデジタル・ファンドレイジングシステム強化と、企業で固定化しがちな寄付・協賛先をcongrant BIZでアップデートすること。この2点を両輪として事業を推進することで、業界を変えていけると考えています。

理想は、NPOが私たちのプラットフォームに乗っているだけで、ある程度の寄付金が入ってくるようになり、本来の課題解決に充てる時間が増えることです。海外から寄付を集められる方法なども構想しながら、システムの強化を続けます。そして、小さくても力強く活動している団体が、企業に届くよう私たちが見える化します。今後3年ほどはこれらに注力し、資金の循環を生んでいきたいと考えています。

コングラント株式会社

コングラント株式会社は、NPO法人・企業向け寄付募集・支援者管理システム『コングラント』を運営する企業。 『コングラント』は、寄付・会員募集のためのWebページを作成し、寄付・会員の申込情報を自動でデータベース化できるシステム。寄付や会費の銀行振込やクレジットカード決済に対応するほか、継続決済の管理が可能で、寄付者に決済エラー時のお知らせや再決済フォームをメールで自動送信する。 また、『コングラント』を通じてクラウドファンディングによる寄付募ることもできる。

代表者名佐藤正隆
設立日2020年5月11日
住所大阪府大阪市西区江戸堀1丁目22-17西船場辰巳ビル6F
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