CommerceXホールディングス株式会社

CommerceXホールディングス株式会社(以下、CommerceX)は、シリーズAラウンドにおいて、エクイティ出資とデットファイナンスにより総額17.3億円の資金調達を行ったと発表した※。ニッセイ・キャピタル、DUAL BRIDGE CAPITAL、New Commerce Ventures、三菱UFJキャピタルなど9社が本ラウンドに参加した。
同社グループはリテール・リユース企業を対象に、DXソリューションおよびコンサルティングサービスを提供している。
前身は、2016年10月に設立されたNOVASTO(現・RECORE)である。同社は小売・リユース業向けのSaaS/クラウド基幹システム「RECORE」を開発・提供してきた。2020年にはECコンサルティング事業を担う株式会社そばに(以下、そばに)を設立。その後、自己資金によるM&Aを通じて、ゴルフブランド「PuttOUT」「CROSSPUTT」や国産レザーブランド「yuhaku」などを取得した。その後、2025年10月にホールディングス体制へ移行すると同時に、NOVASTOはRECOREへと社名を変更している。
現在は、「RECORE」の提供、ECマーケティング支援、自社ブランド運営を組み合わせ、テクノロジーと実業に根差したコンサルティングの両輪で事業を展開している。
クラウド基幹システム「RECORE」は、小売・リユース業の在庫管理やPOS、CRM、KPI分析、EC連携、会計等の業務をワンストップでサポートする。「RECORE」という名称には「リテールとリユース事業のコアになる」という意味が込められているという。同社によると、提供開始当初はリユース業界をターゲットに事業を展開し、同業界の基幹システムとして最大シェアを獲得した。現在は小売業界全体への展開を本格化させており、すでに400社以上のリユース・小売企業に導入されているほか、同システムを通じた流通総額(GMV)は累計4800億円規模に達している。
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一方、そばには、小売・ECブランド向けにECコンサルティングを行う。マーケティングデータに基づく商品開発支援、複数モール展開、「RECORE」連携によるオムニチャネル最適化、広告運用最適化、越境EC支援などを通し、ブランドのグロースを支援している。EC・Amazon事業支援実績は累計で1000件を越えており、今後は楽天市場や越境EC領域にも支援の幅を拡充していく計画だ。
また、CommerceXはこれまでに自己資金によるM&Aを5件以上実行しており、M&A後に売上を最大10倍以上に成長させた実績を持つ。自ら小売業に携わりながら、様々なグロース施策を経て獲得したノウハウを事業に活かしてきた。
最初に取得したゴルフブランド「PuttOUT」はM&A前当時は年商3000万円規模だったが、ゴルフコンペの開催やインフルエンサーの連携等のマーケティング施策、「RECORE」連携など様々な取り組みを実施することで、現在は4億円規模まで成長しているとのことだ。
代表取締役の佐藤秀平氏は「ECコンサルをやっていく中で、顧客から “口で言うのは簡単だけど、実行は難しい” という声もいただいていた。そこで、自分たちでも小売業をやっていこうと決めた」と振り返る。
佐藤氏は1992年大阪生まれ。大学在学中、リユース業とコンサルティング業を主体とする会社を設立し、その後事業譲渡。卒業後は船井総合研究所へ新卒入社した。リユースとEC領域でコンサルティング経験を積んだ後、2016年10月にNOVASTOを創業し、現在に至る。
同氏は創業当時について、「特にリユースECという領域において既存システムはレガシーなものが多かった。学生時代に自らリユース・小売業に携わりながらシステム開発を行っていたため、これを法人向けにアップデートしようと考えた」と語る。
小売・リユース業界では近年、EC市場が拡大し、オムニチャネル化の必要性が高まっている。特にリユース市場は環境意識の高まりを背景に成長が続いており、従来は実店舗中心だった事業者もEC展開を進めている。一方で、複数のECモールへの出品管理や在庫管理の煩雑さ等が課題となっており、システムとマーケティング支援を組み合わせた総合的なソリューションが求められている。同社は「ニューリテール」というコンセプトのもと、顧客体験の向上と事業のサステナビリティという2つの要素を重視し、オムニチャネル化やリユース事業参入等の支援を通じて、小売事業者の課題解決に取り組んでいる。
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同社によると、今回調達した資金は主に3つの領域に活用される。
第一に、ブランド・小売事業およびリテールテックサービスを対象としたM&Aの推進である。新品・中古、店舗・ECといった業態の垣根を越え、実業とテクノロジーの双方をグループ内に取り込みながら、グループ全体で顧客・在庫・データ・オペレーションを横断的に活用することで、M&Aによるスケールとテクノロジーによる再現性を両立した成長モデルを構築していくとしている。
佐藤氏は「我々は小売とずっと向き合ってきている。新品とリユース、そして店舗とECという4象限において、どの場所に位置するブランドに対しても、グロースができる知見とリソース、システム基盤を含むアセットを持っている事業体であることが強み」と述べた。(一部抜粋)
第二に、上場を見据えたガバナンス高度化と、M&A後のロールアップを前提としたバックオフィス基盤の整備である。ホールディングス体制のもと、財務・法務・内部統制・開示体制を段階的に強化すると同時に、グループ各社の管理・業務プロセスを統合・標準化し、スピーディーなPMI(M&A後の統合プロセス)とシナジー創出を可能にするという。同社はIPOを経営目標の一つとして掲げている。
第三に、「RECORE」のさらなる開発強化である。在庫・顧客・EC・店舗・データを横断的に統合するDX基盤として、機能拡張・UI/UX改善・外部サービスとの連携を進め、リテール事業者の競争力を中長期で支えるインフラへと進化させていく方針だ。
佐藤氏は今後の意気込みについて「他ロールアップ企業との差別化ポイントは、我々自身が小売領域での豊富な経験を有する点。小売で売上を伸ばすための多方面の要素に本気で向き合っているからこそ、ブランドオーナーの気持ちに寄り添うことができ、未来を一緒に描いていける。 “CommerceXならブランドを伸ばしてくれるはず、思いを引き継いでくれるはず”、そういった理由で選んでいただいている。オーナーがまだ見ぬ景色に一緒に行くお手伝いができればと考えている」と語った。
※完了見込み分を含む










