クジラ、プレシリーズAで1.5億円調達──“まちごとホテル”全国展開へ加速

クジラ、プレシリーズAで1.5億円調達──“まちごとホテル”全国展開へ加速

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商店街や空き家を丸ごと活用した“まちごとホテル”事業を展開するクジラ株式会社は、PR TIMES、大倉忠司氏(エターナルホスピタリティグループ 代表取締役社長CEO)、長谷工コーポレーションを引受先とするプレシリーズAラウンドで、総額1.5億円の第三者割当増資を実施した。

クジラは、商店街の空き家や空き店舗を宿泊客用の客室へリノベーションし、地域全体を一つの宿泊施設として運営する「まちごとホテル」ブランド「SEKAI HOTEL(セカイホテル)」を展開している。宿泊者は客室として利用するだけでなく、食事は周辺の飲食店で、大浴場は地域の銭湯を活用するなど、地域資源のネットワークを生かした地域密着型の滞在体験ができることが特徴である。現在、大阪府東大阪市布施エリアにて「SEKAI HOTEL Fuse」、富山県高岡市にて「SEKAI HOTEL Takaoka」を運営。その後も全国へエリア拡大を進めている。

代表取締役CEOは矢野浩一氏。調理師学校を卒業後、不動産業界へ。2007年に不動産仲介業者としてクジラを創業し、2012年にリノベーション事業に参入した。

矢野氏は、「空き家問題、地方における若年層の流出など、日本の人口減少から派生する社会課題は少なくありません。この課題について、対症療法で解決するのではなく、『地域そのものの活力を育てる』という根本解決で、未来に繋げることを目指しています。」と述べている。(一部抜粋)

2024年には年間訪日外国人数が過去最高を記録するなど、増加するインバウンドの後押しを受け、日本の観光業界は依然として活況が続いている。日本の食や文化・自然を体験するアクティビティへの関心が高まっており、地域ならではの観光資源の発掘とPRにより地方部での消費を促すことが求められている。その中で、近年既存の空き家や古民家を宿泊施設として利活用する動きが全国的に拡大し、地域の空き家対策や観光振興の一環として重要な位置づけとなっている。

今回調達した資金は、全国各地への事業展開に向けた準備に活用される。具体的には、出店候補地開拓、地域ブランディングを目的とした各地域での資金調達や開発・運営などのコンソーシアム構築、商店街・自治体・地元事業者との包括連携体制の強化、インバウンド需要に対応するPR体制の整備、予約やオペレーションのノウハウ管理に向けたデジタル基盤の構築、人材確保と組織体制の拡充など、多岐にわたる取り組みを進めていくとしている。地域観光の新しいモデルとして、今後の展開には一層の注目が集まるだろう。


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