自動運転関連事業を手掛けるスタートアップ7選【2025年5月更新】

自動運転関連事業を手掛けるスタートアップ7選【2025年5月更新】

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制度と技術が後押しする成長市場ーー自動運転はどこまで進化するのか? 

制度面・技術面共に自動運転業界に追い風が吹いている。

米国SAE(自動車技術会)は自動運転のレベルを0~5までの6段階に定め、レベルに応じて運転タスクをどこまでシステムに委ねるのか、走行領域などが規定されている。日本でもこの設定を基に2023年4月より道路交通法が改正され、特定の条件下においてドライバーを必要としない自動運転を認可するレベル4の運行が国内で開始された。

安全性が保障される条件を前提に、事業者は自動運転での公道走行の申請が可能となった。条件なしに完全な自動運転が可能となるレベル5の実現に向けて、政府の活動が活発になっている。

技術面での発展も目覚ましい。人の判断を代わりに実行するAI技術、5Gといった高速・大容量のデータ通信技術の普及、誤差が少ない高精度3次元地図を構築した位置特定技術といった自動運転に関わる技術が進歩している。

特に、EV(電気自動車)は自動運転に必要なセンサーやシステムに対応した大容量のバッテリーを搭載するなど、自動運転との相性が良く、近年のEV技術の向上、EV市場の増大は大きな影響をもたらしている。

これらの制度の後押し、技術の発展によって自動運転市場が成長している。ADAS(先進運転支援システム)・自動運転システムの世界搭載台数は、2023年では約5355万台であったと試算している。

2025年には世界的にレベル2をクリアする自動車が増加し、約6002万台まで普及し、2035年には約8399万台に到達すると予想されている。

今回は自動運転市場の成長を促進したり、新たに生まれる需要に応じた7社の注目すべきスタートアップを紹介する。

オープンイノベーションバナー

スタートアップ7選

Turing株式会社

企業HP:https://tur.ing/

AIを活用した完全自動運転EV(電気自動車)を開発・製造する企業。 同社は、完全自動運転を実現するためにハード・ソフトウェア両面での自社開発を進めている。大規模言語モデルと軽量モデルを組み合わせた車両制御の技術開発、車載カメラ映像のリアルタイム解析などの技術を独自で開発し、現在特許出願中。

2024年12月には、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、JR西日本イノベーションズ、NCBベンチャーキャピタル、および当社CFO 盛島正人による8.2億円の株式調達に加え、みずほ銀行から2億円の融資を受け、プレシリーズA 追加ラウンドとして10.2億円の資金調達を完了した。これにより、プレシリーズAラウンドの調達金額は総額55.58億円となった。

先進モビリティ株式会社

企業HP:http://www.as-mobi.com

自動運転車両の設計・開発・運用支援を行う東大発のベンチャー企業。コンサルティングからルート設計、車両改造、センサー搭載、自動運転ソフトの統合まで一貫して手がけ、公道での実証や商用運行もサポートする。バスを中心とした公共交通向けの自動運転導入に強みを持ち、自治体や交通事業者と連携した実装支援を多数展開。遠隔監視や運行管理システム、走行環境に応じた技術開発も進めている。OEM向けの技術提供や車両試作支援も行い、安全かつ効率的な自動運転社会の実現に貢献している。

2025年1月には、栃木県下野市にて2期目の自動運転バス実証実験に参画した。

株式会社ティアフォー

企業HP:https://tier4.jp/

自動運転の民主化を目指し、オープンソースの自動運転 OS「Autoware」の開発を主導する企業。自動運転電気自動車を用いた無人物流・旅客サービスに関するビジネスを手がけ、完全自動運転 EV「マイリー」「ロージー」を販売する。 2019年6月、「Autoware」は経済産業省事業で自動運転の安全性評価の標準ソフトウェアとして採用された。

2025年3月には、End-to-End AIを活用した自動運転システムの開発を手がけるPlusと提携を開始したと発表した。社は共同で、従来よりも広範な運行設計領域(ODD)の定義が可能な次世代の自動運転システムの開発に取り組むとしている。

株式会社T2

企業HP:https://t2.auto/index.html

自動運転技術による物流インフラの構築を目指し、自動運転システムの開発、同システムを搭載した車両による幹線輸送サービス事業を展開する企業。同社は、自動運転レベル4である「完全な自動運転」に着目し、Lv4自動運転トラックによる幹線輸送サービスで、高速道路など物流業界での主要物流拠点間を往復するドライバー不足の解消に取り組む。同社は、「AI技術」と「車両開発技術」により、「物体認識」・「自己位置推定」・「指令判断」・「車両制御」などの技術を開発し、「Lv4の自動運転トラック」の開発を目指す。

2025年3月には、三菱地所から追加出資を受けた。これにより同社からの出資は計15億円に達し、2022年の会社設立以来、他社を合わせた資金調達の合計は63.2億円となった。

株式会社Preferred Networks

企業HP:https://www.preferred-networks.jp/ja/

「ディープラーニング(深層学習)」などの機械学習技術を基にしたAIの開発企業。さまざまな大企業と業務提携し、交通システム、製造業、ライフサイエンス、ロボティクス、エンターテインメント、教育など幅広い分野で事業を行う。

交通システム領域では、トヨタ自動車と共同で自動運転およびコネクテッドカーに関する研究開発をしている。製造業領域では、ファナックや日立製作所とロボティクスや工作機械、特に物体認識・制御・異常検知・最適化技術の研究開発を実施している。

2025年3月には、エクステンションラウンドとして、講談社、積水ハウスなどを引受先とした第三者割当増資、およびみずほ銀行からの融資により、総額50億円の資金調達を実施した。

ROBO-HI株式会社

企業HP:https://www.robo-hi.jp/

ロボットや自動運転技術を中心に、製品開発・サービス提供を行う企業。自動運転の機能を持った高齢者用の電動車椅子「RakuRo」や、無人警備・消毒ロボット「PATORO」、配送ロボの「DeliRo」などを提供している。さらに、自動運転車両シリーズ「RoboCar」や自動運転用のマップ作成システム「RoboMap」も展開している。加えて、さまざまな自動運転技術に使用されるセンサーやカメラの開発も手がけている。

2025年4月に、株式会社ZMPからROBO-HI株式会社に社名変更を行った。

WILLER株式会社

企業HP:https://www.willer.co.jp/

移動・観光eコマースの開発および運営を行う企業。日本においては、国内最大級の都市間バスネットワークを持つ「WILLER EXPRESS」や営業キロ114Kmの「京都丹後鉄道」の運行、地域の魅力をつなぐレストランバスの運営を展開。日本・ASEANにおいて次世代モビリティサービスの創造に挑戦しており、自動運転はシンガポールで2019年より商用運行を、日本では全国各地で実証実験を重ねており、AIオンデマンド交通サービス「mobi」は、日本、シンガポール、ベトナム、マレーシアでサービスを提供している。

2025年4月には、ベトナムで交通コンサルティング事業等を行うWILLERグループのWILLER VIETNAM Co., Ltdと連携し、ベトナムを訪れる日本人旅行者に向けてベトナム観光を快適で安心して楽しめる「ベトナム観光チャータープラン」の販売を開始した。

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※矢野経済研究所 「自動運転システムの世界市場に関する調査を実施(2024年)

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