株式会社ツインエンジン

世界へ広がる日本アニメの魅力と進化── 魅了し続ける力と新世代スタジオの挑戦
2024年、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」(英題:The Boy and the Heron)がアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞し、日本アニメは再び世界の注目を集めた。この作品はゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞(BAFTA)など数々の国際的な映画賞も制し、長年にわたる日本アニメの独自性と芸術性が、改めて世界に評価された瞬間となった。
日本のアニメーションは、いまや単なる一国のカルチャーにとどまらず、国際的な“映像芸術”として位置づけられている。Amazon Prime VideoやNetflixといったグローバルプラットフォームでは、日本のアニメが各国でランキング上位を席巻し、多言語字幕・吹替対応でさらなるファン層を獲得している。
こうした流れの中で、国内外でのアニメビジネスは多様化・高度化している。テレビや映画といった従来型の流通に加え、ストリーミングサービス、グッズ販売、イベント展開、さらにはAIによる制作支援やNFTによる知財活用といった新領域にも踏み出している。
とりわけ注目されているのが、次世代の日本アニメを牽引する新興スタジオやスタートアップの存在だ。スタジオジブリや東映アニメーションといった老舗とは異なるアプローチで、斬新なビジュアルとストーリーテリングを武器に、世界市場を視野に入れた作品づくりに挑んでいる。
本記事では、そうした「世界的人気を誇るアニメーションを生み出している」注目のスタートアップを6社ピックアップし、その特徴と取り組みを紹介する。
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スタートアップ6選
株式会社ツインエンジン
アニメの企画・プリプロダクションを専門とする企業。アニメビジネスに関わる全ての工程を自社グループで行っている。サービスとして、クリエイティブとビジネスの両サイドから、パートナー事業者やクリエイターなどと新たな価値を創造し、最適なコンテンツデザインを実現している。主にNetflixやPrime Video、Crunchyroll、bilibiliといった動画配信サービスと組み、作品をワールドワイドに発信している。
2024年1月には、グローバル展開を視野に入れた制作ライン強化のため、新たなアニメーションスタジオ「株式会社NAGOMI」を設立した。
株式会社MAPPA
テレビアニメ、映画、CM、Webムービー、アニメーション映像に関わる全てのジャンルにおける企画・制作を行っている。制作拠点は本社(東京)のほか、2018年に設立されたデジタル動画対応の仙台スタジオと、3DCG専門の大阪スタジオを展開し、幅広く人材採用・育成を行っている。
2025年4月には音楽レーベル「mappa records」を立ち上げ、映像と音楽を組み合わせた新たな表現領域への挑戦を始めている。
株式会社ダンデライオンアニメーションスタジオ
企業HP:https://www.dlas.jp/
CGアニメーション制作、IP(知的財産権)ブランディングを行う。 主な制作実績には、短編CG映画「あめだま」の全制作や、TVアニメ「キングダム」シリーズ全般、映画「ハル」や「ももへの手紙」、さらに「POKÉTOON」シリーズ、「THE FIRST SLAM DUNK」など多数がある。2023年公開のTHE FIRST SLAM DUNKは、第46回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞するなど、高い評価を獲得している。
2024年5月にはゲーム制作ブランド「ダンデライオンゲームス」を発足させ、CGやアニメ演出技術をゲーム開発へも展開中。
株式会社ジェンコ
アニメーションを中心とした映像作品の企画・制作・プロデュースなどを行う企業。 同社は、映像作品の企画・開発や、制作管理、IP管理事業などを運営する。「この世界の片隅に」や、「機動警察パトレイバーEZY」などの作品の実績がある。
チームジョイ株式会社
海外アニメコンテンツの日本展開をしている。同社は、これまでに「羅小黒戦記」「白蛇:縁起」「ナタ転生」「ミニ豆ちゃん」などの海外アニメーション作品の配給業務を行った実績がある。そのほか、自社映画の企画・制作、宣伝、配給や日本および海外の他社作品の撮影協力、アジアの動画配信プラットフォーム「iQIYI」の日本での総代理店運営なども行う。
2022年8月には、シリーズAラウンドにて、「ルパン三世」「それいけ!アンパンマン」「名探偵コナン」に代表される国民的かつ世界的に有名なアニメーションIPを多く手掛けるトムス・エンタテインメントと資本業務提携を実施した。
モンスターズエッグ株式会社
CGアニメーションスタジオを運営、さまざまなデジタルコンテンツを生み出している。「ぐでたま」公式YouTubeチャンネルでの配信や、「呪術廻戦」の3DCGディレクションと3DCGパートの制作や、「チェンソーマン」の一部をCGアニメーションパートで参加している。
2021年9月には、グラフィニカとCGアニメーション制作ノウハウの共有を図ることを目的とした業務提携を実施した。
