ARグラス技術の進化へ—Cellidが20億円を調達し開発を強化

ARグラス技術の進化へ—Cellidが20億円を調達し開発を強化

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ARグラス用ディスプレイと空間認識エンジンの開発を手掛けるCellidは、日本政策投資銀行をリード・インベスターとし、モアマネジメント、15th Rock、FFGベンチャービジネスパートナーズ、京セラベンチャーズ・イノベーションファンドを引受先とする第三者割当増資により、総額20億円の資金調達を実施した。これにより、累計調達額は約52億円となる。

ARグラス(拡張現実グラス)は、現実世界にデジタル情報を重ねて表示するメガネ型のデバイスである。スマートフォンやタブレットのように画面を見るのではなく、視界の中にナビゲーション、通知、3Dオブジェクトなどの情報を直接映し出す。

同社は、ARグラス用ディスプレイおよび空間認識エンジンの開発を主軸とした事業を展開している。特に、広視野角と軽量性を兼ね備えたウェイブガイドの開発・設計を特徴とし、プラスチック製でフルカラー映像を映し出す技術の開発に成功した。ウェイブガイドとは、光を特定の経路に導くための光学部品であり、ARグラスのディスプレイ技術の重要な要素の一つである。2024年11月には、光学シースルーディスプレイ方式のウェイブガイドを採用した、メガネタイプのARグラスのリファレンスデザインを発表。約58gの軽量化を実現している。

代表取締役CEOの白神 賢氏は、大学院を修了後、欧州原子核研究機構 (CERN) でヒッグス粒子探索の研究に従事。その後、2016年10月にCellidを創業し、CEOに就任した。白神氏は「身近な次世代デバイスとしてARグラスへの注目が高まる中、当社は、ウェイブガイドやマイクロプロジェクターなどの開発を通じ、その進化を追求しています。今回の資金調達を通じて、より多くのユースケースを実現し、AR技術の普及に貢献したい」とコメントしている。

AR技術は、現実世界にデジタル情報を重ね合わせることで、新たなユーザー体験を提供する。特にARグラスは、次世代のウェアラブルデバイスとして注目されており、軽量化やデザイン性の向上が普及の鍵とされている。Cellidの技術は、こうした課題の解決に貢献すると期待されている。

今回の資金調達により、ARグラスの主要部品であるウェイブガイドやマイクロプロジェクターの製品化を進めるほか、リファレンスデザインのラインナップ強化、ユースケースの開発促進、量産体制の強化を図るという。これにより、同社製品の市場投入を加速させ、ARグラスの普及促進に貢献することを目指している。

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