配車から始めるタクシーDX、地域の交通網をシステムで活性化

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KEPPLE編集部


タクシー会社向けの配車システム、配車室のBPOサービスを運営する株式会社電脳交通がシリーズCラウンドにて、第三者割当増資による総額約12億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、JPインベストメント、ENEOS イノベーションパートナーズ、四国旅客鉄道、沖東交通グループ、三菱商事、第一交通産業、エムケイ、三和交通、阿波銀行、徳島大正銀行、いよぎんキャピタルの11社。

今回の資金調達により、プロダクト開発の強化とIPOに向けた体制構築を目指す。

タクシー業界の抱える人材不足解消に貢献

同社の配車システムでは、ユーザーから配車注文を受けた際に、タクシーの配車オペレーターとドライバーをインターネット回線でつなぎ、スムーズで効率的な配車を実現する。また、地方の各タクシー会社が運営する配車センター業務を同社が代行することにより、企業が抱える人材不足の課題を解消する。

サービスイメージ
2015年の創業以来、順調にビジネスを伸ばし、配車システムの過去3年間のARR(年間経常収益)成長率は、200%を誇る。2023年4月現在で、配車システムの契約企業数は400社以上、1万5千台ほどの車両に利用され、BPOサービスの契約企業は100社を超える。

2025年までに、システム導入車両台数を6万台まで引き上げ、法人タクシー向けに、業界トップの市場シェア獲得を目指す。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 近藤 洋祐氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

高齢化・人材不足による市場縮小

―― これまで、タクシー業界にはどのような課題がありましたか?

近藤氏:タクシーの運行が始まってから100年以上経過していますが、現在の市場規模は約1.6兆円と、最盛期と比較して縮小傾向にあります。大きな課題としては、業界内での人材不足、そして人材の高齢化です。これまで減少傾向にあったタクシードライバーの人数が、コロナ禍の影響でさらに不足しています。

そこからコロナ禍も落ち着き、移動の需要は回復していますが、人材不足により車両手配ができないケースも少なくありません。限られたリソースの中で移動の需要に応えなければいけないことは、タクシー業界としての大きな課題です。

紹介資料

これまでも配車システムは一部のタクシー会社で利用されていましたが、リアルタイムな車両位置の確認など、必要な機能を備えたシステムは高価格なものが多いです。そのため業界内で多数を占めている小規模事業者は、未だに電話や無線を活用したアナログな配車を行っています。

当社システムは効率的な配車ロジックを備えており、保有する車両台数に合わせ、費用を抑えて利用できる点で、地方のタクシー会社を中心にご好評いただいています。

―― 配車システムの開発を始めようと思ったきっかけを教えてください。

電脳交通の創業以前は、家業である、吉野川タクシーという徳島のタクシー会社の再建に携わっており、人材の高齢化という課題にまさに直面していました。求人の打ち出し方を工夫することにより、若手の採用がうまくいき、なんとか売上も伸びだしました。一方で業界として、若手の人材不足という課題は残っており、若い人がタクシー需要のピーク時にのみ、副業としてドライバー業務を行うようなモデルが今後必要になってくると感じていました。

また、2010年頃から国内でも、コンシューマー向けの配車アプリが提供され始めました。このころからDXが加速し、タクシーに乗る生活者にとって配車はデジタルな体験となりましたが、その裏側では、タクシー会社は比較的アナログに配車作業を行っていました。そこで、まずは効率的な配車を行うシステム提供による、タクシー業界全体の課題解決がいち早く必要だと感じ、SaaSとしてサービス提供を開始しました。

地域交通のプラットフォームへ

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

地域交通を活性化するタクシーDXのためのプロダクト強化と、IPOを見据えた体制構築を主な目的として資金調達を行いました。

財務的な事情により、タクシー業界内で事業者の統廃合が進んでいます。行政もタクシー会社を支援する取り組みが増えてきており、タクシー会社が変革していくために必要な機能を低価格で提供することで、オペレーターの省力化に貢献していきます。実際にお客様からもご好評をいただいており、さらなる価値提供のための機能開発が必要だと考えています。

採用に関しては、プロダクト開発のためのエンジニアやセールス、マーケティングの採用を強化していきます。現在、正社員は70名ほどですが、2025年には100名以上に増員する計画です。

―― 今後の展望を教えてください。

2025年には、当社のシステム導入車両台数を6万台まで引き上げ、法人タクシー業界でトップシェアの獲得を目指します。

現状、我々はタクシー業界の中でもかなり限定的な、一部の市場に向けて事業を展開しています。今後はタクシー業界の商流に対して、例えばドライバーの採用仲介などを、当社システムに蓄積されたデータと合わせて提案していくような事業展開も構想しています。

長期的には我々の需給マッチングの技術を活かし、タクシーに限らず、バスなどの旅客運送業や物流領域への事業展開を視野に入れています。高齢化が進む中、都市部だけでなく、各地域に合わせた交通システムを提供することで、幅広くタクシーを利用できる世界を目指していきます。

株式会社電脳交通

株式会社電脳交通は、全国のタクシー事業者向けに『クラウド型タクシー配車システム』などの開発・提供を行う企業。 『クラウド型タクシー配車システム』は、車両と配車室をインターネット回線でつなぎ、通話機能・GPS機能・カーナビ機能などの機能を提供するサービス。 また同社では、24時間365日対応の配車センター業務代行サービスを提供しているほか、日本各地で自治体や民間企業と連携し、システムを活用した地域交通ソリューションを展開している。

代表者名近藤洋祐
設立日2015年12月17日
住所徳島県徳島市幸町3丁目101番地
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