関連記事
スポーツテックとライフスタイル変化がもたらす市場の進化
デジタル技術の進化とライフスタイルの変化により、スポーツ関連市場は急速な変革期を迎えている。特にスポーツテクノロジー市場やスポーツ用品市場は顕著な成長が見られる。
新型コロナウイルス感染拡大後、ゴルフやアウトドアなどのレジャー系スポーツは一時的に需要が増えたが、新規参加者数の減少や供給過多により2023年には販売単価が下落し苦戦した。一方、スポーツシューズや競技系分野はコロナ禍で低迷していたが、需要が回復し2022年を上回る結果となった。
2023年のスポーツ用品国内市場規模(国内出荷金額ベース)は、前年比100.2%の1兆6493億1000万円になると見込まれる。2024年は前年比103%の1兆6984億4000万円と予測されており、今後も成長が期待される。※
スポーツ市場は、需要の変動や供給過多といった課題を抱えながらも、着実に回復と成長を続けている。デジタル技術の導入やライフスタイルの多様化により、今後さらに新たなビジネスチャンスが広がるだろう。市場の変革に柔軟に対応することが、持続的成長の鍵となる。
スタートアップ5選
株式会社Opt Fit
企業HP:https://optfit.jp/
フィットネスジムでの運営コストの削減およびデータ経営を実現をする「GYM DXⓇ」などを運営・開発する。GYM DXはフィットネス施設内に専用カメラを設置することで、AIが危険検知や不正入館検知、マシンの利用率分析やリアルタイム混雑状況の配信を行うサービスだ。また、介護施設内でのAIカメラ「KaigoDX」や、食品工場などの従業員の徹底した衛星管理のための「手洗いDX」なども開発している。
2024年6月には、新たな業界・業態に向けてAIソリューションを展開するため、クラウド録画サービス「Safie」を提供・開発するセーフィーとAPI連携を開始した。
Ascenders
スポーツ施設などの運用事業などスポーツ専門職に特化したサービスを展開する。トレーナーや栄養士などの専門人材が登録し、案件情報を掲載するプラットフォーム「Ascenders Partners」や、専門スキルの学習機会を提供する「Ascenders College」を運営する。
2024年9月には、シリーズAラウンド(2ndクローズ)にて、日本郵政キャピタル、TOPPANホールディングス、BSPを引受先とした総額2.3億円の資金調達を実施した。
Back Dooor株式会社
企業HP:https://www.backdooor.com/
スポーツ選手とファンがビデオ通話できるサービス「Back Dooor」の開発・運営をする。Back Dooorは、ユーザーが注目している選手と1on1で話すことができ、悩みを話したり意見などを聞くことも可能なサービスだ。スマートフォンなどから予約し、届いたメールから参加するボタンを押すだけで会話をスタートすることができる。
2024年12月には、宮本邦久氏、大竹慎太郎氏、他個人投資家等を引受先とした5300万円の資金調達を実施した。
株式会社Knowhere
スポーツにおいて、テクノロジー活用を推進するソフトウエアやアプリケーションの企画・開発・運用をする。スマートフォン1台でカラダの動きなどを元にした動作解析、ボールの回転数などトラッキングデータの算出などができるアプリを開発している。また、プロの球場と同じレベルの粘土質のマウンドなどを備えた野球の練習場「外苑前野球ジム」も運営する。
2023年4月には、東京工業大学の青木尊之教授が顧問に就任し、ピッチャー向けAI動作解析アプリの開発を加速すると発表した。
株式会社スポスル
スポーツチーム・スクール・習い事などのクチコミサイト「スポスル」を運営する。スポスルは、全国各地のスポーツチーム、スクール、教室、習い事の検索ができるサービス。イベントの検索やスポーツに関する悩みを共有することも可能。スポーツに特化したマガジンも配信している。他にも、スポーツチームやスクールのためのアプリの開発やスポーツ団体のための保険「スポスル補償」も提供する。
2024年1月には、プレシリーズAエクステンションラウンドにて、Kips、エンジェル投資家などを引受先とした1.1億円の資金調達を実施した。
-----------
※矢野経済研究所「スポーツ用品市場に関する調査を実施(2024年)」