精神疾患治療に挑むemol、3.15億円調達で見据える新たな課題解決

精神疾患治療に挑むemol、3.15億円調達で見据える新たな課題解決

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精神疾患向けデジタル治療(DTx)を開発するemolは、シリーズAラウンドにて第三者割当増資による3.15億円の資金調達を実施した。

今回のラウンドでの引受先は、グロービス・キャピタル・パートナーズ、マツキヨココカラ&カンパニー、メドレー、みずほキャピタル、Kipsの5社。

同社は、精神疾患治療を目的とした認知行動療法(CBT)を実践するアプリの薬事承認を目指し、研究を進めている。AIチャットボットを活用したカスタマイズレクチャーを通じて、専門医不足の課題を補完しながら、高品質なCBTをより多くの患者に提供することを目指している。現在、強迫症患者向けの治療アプリの治験を進行中で、社交不安症やADHDを対象としたアプリの開発にも着手している。

代表取締役CEOの千頭 沙織氏は、2014年に株式会社エアゼ(現在休業)を創業し、Webやアプリの企画・デザイン・開発に携わった。その後、2018年にAIとチャットで会話をしながらメンタルケアを行うアプリ「emol」をリリース。2019年に千頭 大輝氏と共同でemol株式会社を設立し、代表取締役に就任した。受診前の啓発から治療終了後の再発予防までを一貫してサポートする、Patient Care Program(PCP)の実現を目指す。

精神疾患の治療においては、疾患の早期発見、専門機関への受診、治療の継続、再発予防といった課題が多く存在する。医療機器ソフトウェア(SaMD)の開発と医療DXの推進という2つの柱で、メンタルヘルスケアをより身近なものにする社会を目標としている。

2024年7月には、強迫症と社交不安症の疾患啓発を目的とした無料アプリ「フアシル」をリリースした。このアプリは、過度な潔癖症や確認行為、あがり症、人見知りの人を対象としており、これらの不安への理解と対応の普及を目指しているという。 

今回の資金調達により、emolは治療アプリの臨床研究を加速させ、人材採用を強化する予定だ。これにより、精神疾患治療のアクセス向上や患者体験の改善が期待される。同社の取り組みが精神医療業界や社会に与える影響に、今後も注目が集まるだろう。

画像はemolプレスリリースより

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