原子・分子レベルで“質”を可視化するセンシング技術──ASEMtechがシリーズAで2.5億円を調達、医療機器実用化へ本格始動

AI医療ソリューションを開発するAIM Japan株式会社(Alpha Intelligence Manifolds, Inc.)は、総額約6億円(新台湾ドル1億2500万元)のPre-Aラウンド資金調達を実施したと発表した。
本ラウンドは米国のWI Harper Groupと台湾のBE Health Venturesが共同でリードし、Cathay Venture Inc.およびSustainable Impact Capitalが参加した。調達資金は、米国・日本・東南アジア・中国での医療機器認証取得や、グローバル特許戦略の強化、次世代製品の研究開発に充てられる。
AIMは2024年11月に設立されたスタートアップで、AIを用いた医用画像解析ソフトウェア「DeepXray™」および「DeepSono™」を開発・提供している。これらのソリューションは、骨粗鬆症診断や超音波画像の自動解析といった用途に特化しており、臨床現場での作業効率化と精度向上を目指している。
代表取締役を務める五島恵一郎氏は、大学卒業後、流通、エンターテインメント、製薬、植物工場、鶏卵会社など、多岐にわたる業界でキャリアを重ね、ベンチャー企業を含む幅広い事業領域に携わってきた。海外営業から人事、総務に至るまで多彩な職務を経験し、管理部門と営業部門の双方に精通することで、広い視野を持ったマネジメントを得意としている。「日本を元気にする」というミッションを胸に、海外交流も積極的に行う中で台湾のAI企業 Alpha Intelligence Manifolds, Inc. と出会い、そのご縁から現在は AIM Japan の代表取締役を務めている。
業界全体では、医療AIの実用化と保険適用の動きが加速しており、同分野ではエルピクセルやJLK Inspectionなどが競合として存在する。市場の課題としては、薬事認証の取得ハードルや現場導入までのプロセスの複雑さが指摘されている。
AIMは2025年に日本国内で「DeepXray Bone Viewer」の薬事認証を取得し、日本市場での商業展開を正式に開始した。また、同年4月には医用画像分野の国内最大級展示会「ITEM2025」にて、コニカミノルタとの共同出展を実施。台湾FDAの承認を受けたAI診断ソリューション「DeepXray™ Spina, Coxa」が展示され、専門誌「Rad Fan Plus」において医療機器部門で第2位の評価を受けた。
今後は、日本国内での認知拡大を目的に「Japan Healthcare Venture Summit 2025」への出展を予定するほか、米国FDAや中国NMPAへの承認申請も計画している。AIMは国際市場において、スマートヘルスケアのリーディングプレイヤーとしての地位確立を目指している。
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