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AI技術を活用したグローバル人材採用支援サービスを展開するQlay Technologies, Inc.(クレイ・テクノロジーズ株式会社)は、プレシードラウンドで約2億円(約140万ドル)の資金調達を実施した。このラウンドにはニッセイ・キャピタル、East Ventures、グローバル・ブレインなど複数の国内外ベンチャーキャピタルが参加した。
Qlay Technologiesは2023年10月設立。主力サービス「Qlay」は、AIによる人事業務の効率化を目的としたプロダクトだ。特徴的なのは、AIエージェントが応募者の履歴書解析、一次面接、コーディングテストの実施までを自動化し、評価をダッシュボード上で一覧できる。採用担当者はダッシュボード上で動画面接結果などを確認可能。また、不正利用検知(AIプロクタリング)機能により、候補者によるAIツール等の不正利用を検出し、スキル評価の公正性向上を図っている。
グローバル人材採用支援としては、新興国を中心に優秀なソフトウェアエンジニア人材をスクリーニングし、日本や米国企業に紹介する「グローバル・エンジニア採用OS」を提供している。採用プロセスの短縮に加え、業務委託や雇用管理など法的・契約的側面のサポートも含めている。このモデルにより、日本国内のスタートアップや新規事業部門からの引き合いが増加している。2025年中には東南アジアへの人材プール拡大が予定されている。
代表取締役CEOの中田智文氏は、マッキンゼーで米国および日本企業向けのコンサルティング業務に従事した経歴を持つ。共同創業者でCOO/CTOを務める山下徳正氏は、金融・証券・コンサルティング分野でのシステム開発や新規事業開発の経験を重ね、過去にはO2O関連スタートアップのCTOも歴任した。両氏はQlay Technologiesの創業者であり、人材・採用領域とテクノロジー分野の実務経験を備えている。過去には米国のBerkeley SkyDeckアクセラレータープログラムへの採択実績がある。
HRテック分野では、AIを活用した採用支援サービスが国内外で増加している。日本では労働人口の減少が続き、IT人材やエンジニアの海外採用、リモートワーク導入が進行中だ。一方で、応募者の書類チェックや面接工程の非効率、国ごとに異なる採用チャネルや学歴認証、リモート採用時の本人確認やスキル評価の信頼性といった課題が存在する。IT人材需要は拡大傾向にあり、2030年には最大79万人の人材不足が予測されている。
グローバル市場では、米国のHireVue、中国のBOSS直聘、インドのTalviewなどがAIとビデオ面接、自動評価技術を展開している。これらの企業は効率化や客観的な評価手法の導入で存在感を高めている。Qlay Technologiesは、日本企業向け機能ローカライズを進め、日本市場の商慣習への対応や東南アジア新興国の人材マッチングに注力している点が特徴である。
今回の資金調達には、日本を代表するベンチャーキャピタルや事業会社が出資者として参画している。今回の資金調達を受け、プロダクト開発の加速、マーケティング体制の強化、パートナーシップの拡大を図る計画だ。
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