EFポリマー、シリーズBで26.3億円調達──農産残渣由来ポリマーで海外展開を加速

EFポリマー、シリーズBで26.3億円調達──農産残渣由来ポリマーで海外展開を加速

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100%自然由来の超吸水性ポリマーを開発・提供する EFポリマー株式会社(本社:沖縄県恩納村)は、第三者割当増資による資金調達を実施。シリーズBラウンドのセカンドクローズを完了し、ファーストクローズと合わせて総額26.3億円に達したと発表した。

今回の増資には、インパクト・キャピタル1 号投資事業有限責任組合、豊田合成、TOPPANホールディングス、SVG Ventures Sunrise Agri Fund GP, LLC、AgVenture Lab、綜研化学など、多様な業界の投資家が参加した。

EFポリマーは2020年に設立されたOIST発スタートアップ。オレンジやバナナの皮といった農産残渣を原料とし、完全有機・完全生分解性の超吸水性ポリマー「EFポリマー」を開発・製造している。石油化学由来の従来型ポリマーと異なり、土壌中で約12か月で分解し、マイクロプラスチック問題や塩害リスクを回避できる。これまでに累計販売量500トン、5000トン以上の農産残渣アップサイクルを達成した。同社は、ISO 9001/14001/45001(インド工場)および米国OMRI有機資材認証を取得。さらに有機JASや欧州Ecocertなどの国際認証も保持しており、製品の品質・環境安全性を国際的に裏付けている。

当初は農業分野での利用を主眼に置いていたが、現在は林業、保冷剤、日用品、化粧品、吸水シートなど多様な分野への展開を進めている。協業先も拡大しており、カゴメとのトマト生産、綜研化学との化粧品・農業向け吸水シート、TOPPAN HDとのパッケージ材料など、業界横断的な開発を実施中だ。

代表取締役のナラヤン・ラル・ガルジャール氏は、水不足や干ばつの課題解決を目指して研究開発を開始。現在は20カ国以上で実証実験を行い、欧州・北米・中南米・アフリカ市場での事業展開も視野に入れている。

ナラヤン・ラル・ガルジャール氏は、「シリーズBラウンドの資金調達を通じて、EFポリマーのビジョンに共感してくださるパートナーと共に、持続可能な未来に向けた歩みをさらに加速していきます。」と述べている。(一部抜粋)

今回の調達資金は、研究開発・生産体制の強化、海外展開、新用途開発に充当する計画だ。

高吸水性ポリマー市場は世界的に拡大傾向にあり、2024年には約62億米ドルと評価された。2032年までに約105億米ドルへと成長すると見込まれている。環境負荷の少ない生分解性素材への需要は高まっており、EFポリマーは「資源循環型社会の構築」と「農業現場の持続可能性」に貢献する企業として注目を集めている。

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