SNSコラボサービスを提供するCasteeに鈴木おさむ氏運営VCが資本参加、累計調達額は7億円超

カラフルキャスティング株式会社が第三者割当増資によるプレシリーズAラウンドで約4.5億円の資金調達を実施した。今回の引受先には日本創発グループなどが含まれ、累計調達額は6.7億円となった。今後はプロダクトの機能拡張やグローバル展開、組織体制の強化に向けて資金を活用する計画だ。
カラキャスは2019年9月に設立。同社が運営する「カラキャス」は、インフルエンサーやモデル、俳優、アーティスト、ミュージシャン、ダンサーといった多様な表現者がプロフィールを登録し、企業や個人から仕事依頼を受けたり、ファンと交流したりできる総合エンタメプラットフォームである。サービスはiOS、Android、Web版で展開されており、2025年8月には登録者数が10万人を超えた。
プラットフォームの主な機能は「プロモーションサービス」「キャスティングサービス」「イベントサービス」の三つで構成される。プロモーションサービスでは、インフルエンサーへのPR投稿依頼を月額定額で無制限に行えるサブスクリプション型の料金体系を採用している。キャスティングサービスは、イメージモデルやSNS広告モデルなどの案件に対し、法人・個人問わず、エントリーから選考、決済までを一元管理できる。イベントサービスでは、人気投票やオーディションなどユーザー参加型の企画を展開し、企業によるUGC(ユーザー生成コンテンツ)マーケティングの場としても利用されている。
近年、国内のデジタルマーケティング市場は拡大を続けている。SNSの普及や広告手法の多様化を背景に、マイクロインフルエンサーやUGCを活用した施策への需要が増加している。一方で、クラウドキャスティング、YOU MAY casting、e-Spiritなど複数の競合サービスも存在し、価格やサービス内容の差別化が課題となっている。
カラキャスの特徴は、アプリによる直感的な案件応募・依頼の操作性、サブスクリプション型の低価格モデル、CG・VFXを活用したビデオ制作支援、利用者属性に応じたキャスト選定ツールの提供(分析機能は近日提供予定)などが挙げられる。料金設定は、プロモーションサービスが月額1万円から、キャスティングサービスは成果報酬型で、採用時にキャスト報酬の10%を手数料としている。マイクロインフルエンサーを活用した分散型PRが、中小企業や個人事業主にも利用されている。
今回調達した資金は、国内最大級のエンタメアプリを目指すと同時に、海外展開を進める計画である。また、インサイト、投げ銭、ショップ、ファンクラブ、求人サービスなどサービスを拡充し、個性が活躍できる社会の実現を加速する。また、日本創発グループとの資本業務提携により、同グループの制作・デジタルコンテンツ力とカラキャスのプラットフォームを融合し、イベントやグッズ、映像制作まで一貫したサービス提供体制を構築する。
さらに、韓国のPIX Entertainmentとの提携により、Unreal EngineやクロマキーCG技術を活用したグローバル向けデジタル広告動画の制作など、海外展開にも注力する。韓国をはじめとしたアジア諸国を皮切りに、今後30カ国以上への事業拡大を計画している。
今後も、さらなるユーザーの獲得と革新的なサービスを提供する方針だ。
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