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物流DXを推進するアセンド株式会社は、シリーズBラウンドで、エル・ティー・エス、マーキュリア・サプライチェーン投資事業有限責任組合、三菱UFJキャピタル、グロービス・キャピタル・パートナーズ、サムライインキュベートを引受先とする第三者割当増資、および北國銀行からの融資による総額11億円の資金調達を実施した。これにより累計調達額は約18億円となった。
アセンドは「物流の真価を開き、あらゆる産業を支える」というミッションを掲げ、物流業界のデジタル化推進に取り組む企業である。主力事業は、クラウド型運送管理プラットフォーム「ロジックス」の開発と提供であり、受発注から配車、請求、労務、車両管理まで運送業務全体の一元化を実現する。このプラットフォームは業務データの自動転換により経営改善や効率化を可能とし、車両単位の収益管理や荷主ポートフォリオの最適化、コンサルティング事業など多角的な展開も特徴となっている。さらに3PL/4PL事業やM&A、BPaaSなどにも取り組み、Vertical Conglomerate企業として成長を目指している。
ロジックスは、リリースから約3年で、中小から上場企業まで全国の運送事業者に導入され、さまざまな荷物や輸送形態(運行パターン)を扱う現場で活用されている。現在も前年比250%超のペースで事業を拡大している。
代表取締役CEOは日下瑞貴氏。2020年の創業にあたり、物流業界全体の課題解決を目指しアセンドを設立した。創業以前はコンサルティングファームや事業会社などに在籍し、経営改善や事業開発の実務経験を有する。幅広い業界ネットワークと実行力を基盤に、物流領域のデジタルシフトと中長期的な産業構造転換に挑戦し続けている。
日下氏は、「シリーズBの資金調達を終えた今だからこそ、『物流の真価を開き、あらゆる産業を支える』というミッションに立ち返り、愚直に、そして正面から業界課題の解決に邁進していく決意を改めた次第です。日本の物流をより良い形で持続可能な形にすべく、これからも全力で精進してまいります。」とコメントしている。(一部抜粋)
日本の物流業界は、2022年の年間営業収入が輸業全体で約42兆円、そのうち物流業は約32兆円規模を占める。EC市場拡大や消費者の配送ニーズ多様化により、物流需要が増加する一方、労働人口減少と「2024年問題」に起因するドライバー不足、積載率低下、再配達増加、コスト上昇といった課題が深刻化している。2025年度の売上高物流コスト比率は5.36%で過去20年で高水準。加えてカーボンニュートラル対応、デジタル化の遅れ、サービス水準の高度化も業界全体の課題となっている。国土交通省や経済産業省によると、DXによる物流効率化・省人化や環境負荷低減が今後の持続的成長の鍵とされている。
今回調達した資金は、主に運送管理プラットフォーム「ロジックス」を軸とした物流ネットワーク基盤の構築や新規事業展開、組織基盤の強化に充てる計画である。具体的には、開発体制の強化を進めるためのエンジニア採用、サービス導入支援やカスタマーサポートの拡大、さらに新規サービスの立ち上げを含む事業開発に活用される。
アセンドは2020年の創業以来、運送業務全体のデジタル化と経営効率化を目的とした「ロジックス」を展開し、全国の運送事業者に導入を進めている。今後は、運送会社・荷主・協力会社を横断してつなぐ物流ネットワーク基盤の構築や、サプライチェーン全体のデータ活用を見据えた新戦略「Vertical Conglomerate」にも本格着手する計画だ。
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