有名店の味をオフィスで──みんなの社食、1.2億円調達で顧客体験を強化

有名店の味をオフィスで──みんなの社食、1.2億円調達で顧客体験を強化

xfacebooklinkedInnoteline

有名店社食サービスを展開する株式会社みんなの社食は、ロッテベンチャーズ・ジャパン、個人投資家を引受先とした第三者割当増資によるシードラウンド(1st close)で1.2億円を調達した。これにより、累計調達額は2億円となる。(銀行融資を含む)

みんなの社食は、飲食店とオフィスワーカーをつなぐ法人向け有名店社食サービスを展開している企業だ。同社は、有名店のメニューを日替わり・週替わりでオフィスに届ける法人向け社食サービス「みんなの社食」を提供している。食べログ百名店や評点3.7以上の人気店の料理を扱い、机2つ分の省スペースで導入可能。ジャーによる保温配送により、店舗と同じ熱々のクオリティを実現し、ランチを共に楽しむことで従業員同士のコミュニケーション活性化も目指している。2025年6月に本格提供を開始し、開始から約半年で大手企業からスタートアップまで幅広い企業が導入している。

出社回帰が進む中、オフィス立地の制約やオフィス街の混雑により、いわゆる「ランチ難民」の問題が再び顕在化している。特に社員食堂を持たない企業ではこの課題は大きい。社員食堂の導入には多額の設備投資やスペース確保といったハードルがあり、全国約177万社のうち社員食堂を有するのは5433施設(約0.3%)にとどまっている。一方で、物価上昇を背景に従業員の負担軽減を目的とした福利厚生強化の動きが広がっている。こうした状況を受け、従業員の働きやすさやエンゲージメント向上を目的に、企業の間で多様な形態の社食サービスへの関心が高まっている。

代表取締役CEOは齋藤武仁氏。齋藤氏は、現取締役の石川聡氏と大学在学中に「みんなの食堂」を立ち上げた。その後、銀行やベンチャーキャピタルに勤務し、金融・投資分野で経験を積む。のちにイスラエルへ移住し、スタートアップ支援を中心にフリーランスとして活動。2024年6月、みんなの社食を共同創業し、代表取締役CEOに就任した。働く人の食体験や企業の福利厚生をより豊かにしたいという思いから、食を通じて、飲食店・利用者・企業の三者が価値を享受できる仕組みを提供している。

齋藤氏は、「今回の資金で、当社が最重視する『顧客体験』を飛躍的な向上を図ります。飲食店様や配送パートナー様など、関わる全ての皆様と共に価値を創出し、チーム一丸となって『働く人のランチを楽しく、豊かに。』というミッション実現に向け尽力してまいります」とコメントしている。(一部抜粋)

今回の資金調達を通じて、同社は顧客体験のさらなる向上を軸に、取り扱いメニューや提携店舗の拡充、サービス認知拡大に向けたマーケティング投資を進める。また、事業成長に伴う人員体制の強化や組織基盤の整備にも注力する計画だ。今後半年以内に加盟店舗数を50店舗まで拡大し、ジャンルの幅広い有名飲食店との提携を拡充する方針である。プロダクト面では、使い捨て容器を用いず店舗同様のカトラリーを提供する仕組みや、オフィス内で飲食店の雰囲気を再現するビュッフェデザインの設計を推進。あわせて、COOやプロダクト責任者、オペレーション・ロジスティクス領域を中心とした採用も強化していく。

※厚生労働省『令和元年度 衛生行政報告例の概況』より。事業所給食施設数は5,433施設。

新着記事

STARTUP NEWSLETTER

スタートアップの資金調達情報を漏れなくキャッチアップしたい方へ1週間分の資金調達情報を毎週お届けします

※登録することでプライバシーポリシーに同意したものとします

※配信はいつでも停止できます

ケップルグループの事業