ダイナミックプライシングのメトロエンジンが資金調達、さらなる事業領域の拡大を目指す
ダイナミックプライシングを手がけるメトロエンジン株式会社は11日、第三者割当増資にて10億円の資金調達を実施したことを明らかにした。
今回の調達は、シリーズCラウンドの1stクローズにあたり、2ndを6月頃に予定している。
引受先は、HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUNDをリードインベスターとし、東急不動産の運営するCVC、BEENOS株式会社、個人投資家複数名。
調達資金は、既存事業の拡大に加え、新たな領域でのダイナミックプライシング事業展開に向けた採用含む開発体制強化に充てるとしている。
採用ページはこちら:https://info.metroengines.jp/recruit
メトロエンジンは、ホテルやレンタカー、フードデリバリーといった幅広い領域でダイナミックプライシング事業を展開している。
ダイナミックプライシングとは、需要に応じて価格を変動させ、利益を最大化する手法のことで、AIなどを活用することで価格の最適化を実現する。
同社のシステムでは、プライシングを行う際に、決定した価格だけでなく、価格の根拠となった周辺データをセットで提供しており、プライシングの経緯がわかるのが強みだ。
また同社では、ダイナミックプライシング事業を展開するホテルやレンタカーといった領域で、予約サイトやメディアといった関連事業の展開も行なっている。
その中でも特に伸びているのが、株主でもあるBEENOSと共同運営する長期滞在者向けのホテル予約サイト「Monthly Hotel(マンスリーホテル)」だ。
同サービスは、7日間〜半年までの長期宿泊の予約がリーズナブルな価格で可能な長期滞在専門ホテル予約サイトで、毎月2桁%の売上成長を見せているという。
会社全体の業績についても、ホテル関連事業などでコロナの煽りは受けたものの、その他の領域でのダイナミックプライシング事業などが牽引し、売上も右肩上がりで伸びてきている。
今期の売上も、同社の決算期は9月となっているため確定している数字ではないものの、前期比2倍以上の成長となる見込みだと語った。
また、コロナ禍の反動によるインバウンド需要の戻りは、円安などの影響もあり、かなり大きくなると見ており、人員削減などによりコロナ禍を耐えているホテルなどは、その需要を受け止めるために、システム導入による業務効率化へと徐々に動いているという。
そのため、同社でもインバウンド需要がV字回復するタイミングに向け準備を進めており、既存事業のさらなる成長も期待できる。
同社は元々、ジェイピーモバイル株式会社より民泊関連事業をスピンオフする形で設立し、民泊運営支援サービスを展開していたが、その機能の中で特に評判の良かった価格設定機能に特化する形で現在のダイナミックプライシング事業へとシフトしていった。
最初は民泊やホテル向けにダイナミックプライシング事業を展開していたが、他業界からの問い合わせが多く寄せられたことなどから、各業界の知識をつけながらレンタカーやフードデリバリーへと事業領域を拡大した。
また現在も、そのほかの領域への横展開を積極的に行なっており、問い合わせなども受け付けている。
今後は、ダイナミックプライシング事業のさらなる領域拡大を目指すとしており、長期的には鉄道やバスなど人の行動に関わる部分での展開も幅広く行なっていきたいと展望を語った。
メトロエンジン株式会社
メトロエンジン株式会社は、宿泊事業者に客室単価設定ツールや分析、運営効率化ツールを手がける企業。 AIや機械学習でダイナミックプライシングおよびサブスクリプションの価格設定を支援するサービスを提供するほか、予約エンジンを提供する。
代表者名 | 田中良介 |
設立日 | 2016年10月31日 |
住所 | 東京都港区南青山3丁目8番40号青山センタービル2階 |