DX人材のスキルシェアプラットフォームを提供するGIGがシリーズBラウンドで2億円の資金調達、社内DX人材×フリーランス・副業人材による品質担保に強み
株式会社GIGがシリーズBラウンドにて、第三者割当増資による2億円の資金調達を実施したことを明らかにした。
今回のシリーズBラウンドでの引受先は、株式会社ハイブリッドテクノロジーズ、INNOVATION HAYATE V Capital(株式会社イノベーション)、Chatwork株式会社、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社、株式会社D-POPSグループ、株式会社ファインドスターグループの6社。
また、株式会社ハイブリッドテクノロジーズ、株式会社イノベーション、Chatwork株式会社の3社については、資本業務提携を発表しており、マーケティングや開発、設計などの面で相互で補完し合えるような体制を構築していくとしている。
今回の資金調達およびプロダクトリリースに際して、GIG代表の岩上氏に、詳しく話を伺った。
―― まずは、御社の事業についてお聞かせください。
岩上氏:弊社は、「Workship」というスキルシェアサービスとDXコンサルティング、2つの事業を中心に運営しています。
「Workship」はフリーランスの方々とプロジェクトをマッチングするサービスになっており、初期費用と月ごとの稼働に応じた手数料の料金体系で提供しています。
DXコンサルティングは、 UI/UXのデザインやシステム開発、コンテンツ制作など、幅広い領域でお客様のサポートをしております。
―― 世の中にはスキルシェアサービスは数多く存在しますが、「Workship」の強みはどこにありますか?
強みとしては、マッチング精度の高さが挙げられます。
現在、約4万人の方に登録していただいているのですが、それらのフリーランス・副業人材の方々と発注をいただく企業の双方に対して、機械学習を活用したスコアリングを行なっており、そのスコアリングをもとにスキルや仕事に合わせた適切なマッチングを行うことができます。
その他にも、レコメンドエンジンなどマッチング精度を上げるための機能を多数開発しているので、この部分が強みになっています。
加えて、自社でDXコンサルティング事業を行っているので、自社のプロジェクトに「Workship」へ登録いただいているフリーランス・副業の方々に参加してもらうケースもあり、我々がプロジェクトの品質を担保し、フリーランス・副業の方々と一緒にチームを作って、サービスを提供するということもやっています。
――「Workship」を始めようと思ったきっかけを教えてください。
私自身が、現在とは別のシステム開発やクリエイティブ制作を行う会社を10年間経営していました。100名前後のクリエイターが在籍していたのですが、独立や転職するメンバーも多く、社内でDX人材を含めたチーム体制を作ることに非常に苦労するという経験をしました。
システム開発、製作、マーケティングをやっていた自社ですらそれが難しいのであれば、非ITの企業様であればなおさら体制を作るのは難しいだろうと、当時から感じていました。
そのため、2社目となる当社を立ち上げた時から、DX人材の体制構築が難しい企業様に対して、多様な働き方のクリエイターをアサイン可能なプラットフォームを作りたいと考えて、開発を進めておりまして、それが「Workship」になります。
―― 次に御社を取り巻くマーケット環境についてお聞きしたいのですが、今後事業を拡大させていく上でプラスに働くと考えている要素などはありますか?
大きな要素としては、コロナによって働き方の多様化が加速している点です。
DX人材においては、リモート環境で対応できる人たちが多いので、地方移住や複業など働き方の選択肢は一層、増えてくると考えています。
あわせて、DXの人材採用については、倍率が7〜8倍と言われており、これから更に人材不足が顕著化すると思っていますので、そこの需要は非常に大きいと考えています。
一方で、これからの変化で興味深い点として、今までは週5フルタイムで働けるフリーランスの人たちを前提に、出向や派遣モデルなどで対応する企業様が多かったですが、近年では週2〜3程度の稼働となる副業・フリーランスの方々が増えています。今後は発注側のスキルが伴わないと、このようなフレキシブルな稼働となる副業・フリーランスの人たちに対して、発注しづらい状況は出てくると考えています。
発注のスケジューリングなども含めて、適切な発注ができないとミスマッチが発生してしまい、本来は人材が少なくて困っているはずなのに、一部においては供給過多になる状況が発生してくると考えています。
そこで、マッチングプラットフォームの提供だけではなく、弊社がプロジェクトマネージャーとして入ることで、品質を担保する部分をソリューション化して、需要と供給のミスマッチを解消していきたいと思っています。
―― 今回の調達資金の使途はどのようなところになるでしょうか?
採用含む組織体制強化が主なところになります。
特に事業成長において必要なマーケティングや社内の上場に向けた体制を、強く持つというところが一番大きいです。
―― 今後の展望を教えてください。
テクノロジーとクリエイティブでセカイをより良くする、挑戦できる仕組みをつくるということを掲げていますが、まずは、SMB市場を中心とした、DX人材が足りていない企業様に対して、適切なアウトプットソリューションを提供したいと思っています。
そこにあたっては、一定以上のリソース担保、リソース供給力、品質を担保するためのプロジェクトマネジメント力が必要になってくると思います。
リソースに関しては、自社のメンバーに加えて、外部のプロフェッショナルや「Workship」に登録いただいている約4万人のフリーランス・副業ネットワークを活用することで、供給力は担保していきたいと考えております。
また、品質の担保に関して、弊社による直接のサービス提供にくわえて、プロジェクトマネージャーとして入ったうえで「Workship」の登録者を活用することによる対応や、直接優秀な方たちをご紹介するなど、企業様に合わせて適切な方法を提案し、品質を担保していきたいと思っております。
そのほかには、社内で開発・活用しているシステムのうち、DX文脈に沿ったものを仕組化・パッケージ化して提供していくことも引き続き行なっていきたいと考えています。
―― 本日は、興味深いお話をありがとうございました!
株式会社GIG
株式会社GIG は、企業サイト制作や Web マーケティングのコンサルティングを行っている企業。 企業サイト制作では、取引先企業に日本航空株式会社、株式会社リクルートホールディングスなどがある。クライアントのビジョンを抽出し、Web デザイン、システム開発、映像制作、グラフィックデザインなど、効果的な訴求方法を組み合わせ、Web マーケティング戦略立案、ブランディング設計を手がけている。市場調査から SEO 対策、キャンペーンサイト・スマートフォンサイト・多言語サイト・予約サイト制作など、幅広く対応している。
代表者名 | 岩上貴洋 |
設立日 | 2016年12月1日 |
住所 | 東京都中央区日本橋浜町1丁目11番8号4F |