Edeyans、シリーズBで総額6.7億円を調達──AI SaaS「Jtas」強化とホテル清掃オペレーション拡大へ

Edeyans、シリーズBで総額6.7億円を調達──AI SaaS「Jtas」強化とホテル清掃オペレーション拡大へ

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ホテル客室清掃オペレーションとAI SaaS「Jtas」を展開する株式会社Edeyansは、オリエンタルランド・イノベーションズ、WMグロース5号投資事業有限責任組合からの出資、みずほ銀行ほか金融機関からの融資により、シリーズBラウンドで総額6.7億円を調達した。

同社が提供する「Jtas」は、客室清掃の予定管理、故障部屋管理、清掃データ分析、AIによる忘れ物管理までを一元化するSaaS。スマートフォン・タブレット・PCで利用でき、紙や口頭・電話でのやり取りに依存してきた現場業務をデジタル化し、清掃品質の均一化や作業負荷軽減、コスト削減を実現している。

代表取締役CEOの片山裕之氏は、学生時代に民泊清掃サービスを立ち上げた後、2018年に同社を創業。関西圏での清掃事業からスタートし、コロナ禍を機にホテル清掃領域へ転換、デジタルサービス開発に進出した。

片山氏は、「客室清掃にとどまらず、ホテルオペレーション全体の進化へと挑む新たなステージへ進みます。AI とテクノロジー、そしてオペレーションサービスの両輪で、世界中の宿泊体験を支え、感動を生み出すために、挑戦を続けてまいります。」とコメントしている。

訪日客数が2024年に過去最高の3300万人超となり、主要都市の客室稼働率は約85%に回復する一方、宿泊業の有効求人倍率は約4.0倍と慢性的な人手不足が続く。客室清掃は離職率が高く、複雑な施設構造や24時間稼働による品質管理の難しさが重くのしかかる。

デジタル化は一部の基幹システムに留まり、清掃や裏方領域のIT導入は遅れているが、清掃ロボットや業務特化型ソリューションの普及が加速しつつある。

今回の調達資金は、AI SaaS「Jtas」の開発強化、客室清掃オペレーション事業の拡大、ならびにルームマイスターの採用・育成基盤の整備に充てる。

同社は、ホテル業界の人手不足・非効率な運用・デジタル化遅れといった構造課題の解決を目指し、運営管理の国内標準化とオペレーション全体のAI化を推進する。

今後は、「Jtas」の機能拡充とホテルオペレーションの“業界標準OS”化、2030年までに1000名規模の採用体制構築、インドネシア拠点の設立による国際的な採用基盤の強化を進める方針だ。

Edeyansは清掃現場発のプロダクト開発に強みを持つ。今後はSaaSとオペレーション支援の両軸で生産性向上・データ活用領域を広げていくとみられる。一方で競合動向や業界DXの加速、スタッフ定着率向上、法制度の変化など、外部環境への柔軟な適応も求められる。

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