株式会社シャペロン

規制産業向けコンプライアンスAIプラットフォームを提供する株式会社シャペロンは、シリーズBラウンドにおいて、ALL STAR SAAS FUND、ニッセイ・キャピタル、i-nest capital、Vertex Ventures Japan、AGSコンサルティングを引受先とする第三者割当増資で6.3億円、あわせてデットファイナンスによる1億円を調達し、総額7.3億円の資金調達を実施した。これにより累計調達額は12.3億円となる。
シャペロンは規制産業向けコンプライアンスAIプラットフォーム企業だ。製薬・医療業界向けのメッセージングプラットフォーム「Shaperon」を展開し、複数の大手製薬企業に導入が進んでいる。2023年以降、生成AIを活用したコンプライアンスAIソリューションを順次開発・展開し、累計100万件以上の処理実績がある。
Shaperonは、製薬会社と医療従事者との双方向コミュニケーションを一つのツールに集約し、効率的なメールディテーリング※を実現するプラットフォームだ。配信ややり取りの履歴データを分析することで、企業は自社でプロモーション施策のPDCAを回すことができる。
※メールディテーリング:製薬会社が医療従事者に対し、医薬品情報をデジタルで提供すること
また、医師向けサイトと連携することで、自社でメールアドレスを保有していない医師に対しても、Shaperon上でプロモーション配信や相互メッセージのやり取りが可能となる。加えて、審査済みコンテンツの配信、NGワード管理、メール監視など、PGL(販売情報提供活動ガイドライン)に準拠した機能を有する点も大きな特徴である。
製薬業界は、人々の健康や生命に直結する医薬品を扱うことから、法規制やコンプライアンス対応において極めて高い水準が求められる特殊な環境にある。この厳格な規制下では、業界特有の複雑な要件に対応するため高度な専門知識と経験に依存した判断が不可欠で、業務の標準化や効率化には依然として大きな課題が残っている。
同社は、こうした状況を背景に、「コンプライアンスAIで、新しい基準を築く」というビジョンを掲げ、SaaSとAIによる迅速かつ高精度な業務処理の実現を目指している。
代表取締役CEOは阪本 怜氏。薬剤師資格を保有し、コンサルティングファームでの戦略立案・業務改善や、規制産業でのマーケティング戦略・データ分析に携わった経験を持つ。ヘルスケア・EdTech(教育テック)系企業で新規プロダクト開発や事業立ち上げに従事した後、2017年6月にシャペロン(旧社名フラジェリン)を創業した。
今回調達した資金は、プロダクト開発と組織体制の強化に充当される。主に規制産業特化型AIエージェント運用基盤の開発や、AIエージェントの自律的品質評価・改善機構の研究開発、既存プロダクトの品質向上に充てられる見通しである。今後は、AIエンジニアや規制業務に精通した人材の採用を進めるなど、組織体制の強化も計画しているという。









