肝移植に代わる選択肢へ──センノ・セラピューティクス、累計7.5億円で細胞治療の臨床準備を加速

肝移植に代わる選択肢へ──センノ・セラピューティクス、累計7.5億円で細胞治療の臨床準備を加速

xfacebooklinkedInnoteline

肝不全領域で細胞治療の開発を進める株式会社センノ・セラピューティクスは、第三者割当増資による資金調達を実施した。既存投資家のSaisei Venturesが追加出資を主導し、新たにOne Capital、みずほキャピタルが参画。累計調達額は7.5億円となる。

同社は、東京大学医科学研究所 幹細胞治療研究センター長の谷口英樹教授の研究成果を基盤に、2024年に設立されたバイオベンチャーだ。他家iPS細胞から分化誘導した肝芽細胞を用いる細胞治療の開発を通じ、致死的な肝不全に対する新たな治療選択肢の実用化を目指している。

主力パイプライン「SEN-001」は、他家iPS細胞由来の肝芽細胞(肝細胞へ分化する前駆細胞)を用いた細胞治療である。体内投与後に肝臓へ生着・増殖し、失われた肝機能の補完・回復に寄与することが期待される。均質性を保った大規模培養や凍結保存が可能で、安定供給が見込める“オフ・ザ・シェルフ型”治療としての展開も視野に入れる。

対象疾患の一つである急性増悪を伴う慢性肝不全(ACLF)は、肝硬変などの慢性肝疾患患者で感染症や飲酒などを契機に肝機能が急激に低下し、多臓器不全に至り得る重篤な病態だ。短期間で高い死亡リスクを伴う一方、根本治療は肝移植に限られ、ドナー不足もあって代替治療の開発が課題となっている。

調達資金は、非臨床開発と臨床試験に向けた準備に充当する。同社はAMEDの「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」にも採択されており、今回の資金とあわせて研究開発を加速する方針だ。センノ・セラピューティクスは、肝移植以外の選択肢が乏しい肝不全領域で、細胞治療による新たなアプローチの確立を狙う。

※ 他家iPS細胞(たかいiPSさいぼう):健康なドナー(第三者)の細胞から作製されたiPS細胞のこと。自分自身の細胞を使う「自家iPS細胞」とは異なり、高品質な細胞の「作り置き」が可能で、再生医療の迅速な提供と時間・費用の抑制が期待される。

新着記事

STARTUP NEWSLETTER

スタートアップの資金調達情報を漏れなくキャッチアップしたい方へ1週間分の資金調達情報を毎週お届けします

※登録することでプライバシーポリシーに同意したものとします

※配信はいつでも停止できます

ケップルグループの事業