いちご栽培する“メガファーム”──Oishii Farm、約240億円調達しオープンイノベーションも加速

いちご栽培する“メガファーム”──Oishii Farm、約240億円調達しオープンイノベーションも加速

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植物工場を展開するOishii Farm Corporation(日本法人:Oishii Farm株式会社)は、シリーズCファーストクローズにおいて総額約240億円を調達したと明らかにした。累計調達額は525億円となる。今回のラウンドでは、スパークス・アセット・マネジメントをリード投資家として既存投資家が追加出資したほか、日本企業とのオープンイノベーションを目的とした新規出資や、みずほ銀行など国内金融機関からの借入も実施した。

Oishii Farmは米ニュージャージー州で創業し、植物工場で高付加価値農産物の生産に取り組むスタートアップだ。植物工場では葉物野菜が中心とされるなか、いちごの安定量産を進めてきたという。

2018年に1パック50ドルで販売を開始した商品は、技術改善や生産効率の向上により、2023年には10ドルまで価格を引き下げたという。2024年に本格稼働したいちご植物工場「メガファーム」により、7.99ドル帯の商品展開も始めたという。

同社発表によると、現在は米国東海岸を中心に18州へ展開しており、2026年2月にはカナダ・トロントでも販売を開始した。日本では、東京都羽村市に延床面積1万5000平方メートル超の研究施設「オープンイノベーションセンター」を開設することを決定。2026年夏の正式開所を予定し、数万株規模の実証栽培や数百パターンの栽培環境検証を行う研究開発拠点となる見込みだ。植物工場専用品種の開発にも着手している。

同センターでは、NTTとのIoT分野での協業、安川電機のロボティクス技術やミスミグループ本社の機械部品の活用を含む農業自動化の検討を進めるという。さらに野村不動産とは大規模施設開発、朝日工業社とは建設プロセス標準化、三菱食品とは流通領域での協業可能性も検討しているという。

植物工場市場は、気候変動や水資源不足、担い手減少への対応策として注目される一方、設備投資負担や採算性が課題とされてきた。Oishii Farmは、大規模生産と研究開発を並行して進めることで、植物工場の採算性や拡張性といった課題に対応する考えだ。

調達資金は、米国での「メガファーム」展開に加え、日本の「オープンイノベーションセンター」での次世代技術の研究開発加速、今後の地域展開を支える技術基盤づくりなどに活用する計画だ。あわせて、農業・工業分野を含む採用も強化し、事業拡大を進める方針である。

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