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近年、ニューロテック(Neurotechnology)が注目されている。ニューロテックとは、脳波や神経活動を解析し、それを活用する技術全般を指す。医療、ウェルネス、教育、エンターテインメント、さらにはブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の分野まで、その応用範囲は広がっている。
今後数年間で市場はさらに拡大すると予測されている。ニューロテックの世界市場は2023年に145億5000万米ドルを占め、2030年には353億1000万米ドルに達すると予測されている。※脳波を活用したウェアラブルデバイスや、うつ病・不眠症の治療を支援するデジタル治療(DTx)技術の開発が進んでいる。高度な技術開発には膨大な研究資金と専門的な知識が必要とされるため、依然としてハードルが高いという課題も存在する。
しかし、こうした状況の中、スタートアップ企業による革新的なアプローチが次々と登場しており、医療・ヘルスケア分野を中心に実用化が進められている。脳とコンピュータを直接つなぐBMI技術を活用したコミュニケーション支援、脳波計測によるストレス管理システム、神経疾患の診断支援AIなど、多様なソリューションが開発されている。
本記事では、ニューロテック分野で活躍するスタートアップを紹介する。
東北大学加齢医学研究所の「認知脳科学知見」と、日立ハイテクノロジーズの「携帯型脳計測技術」とが融合して設立されたスタートアップ。脳活動計測装置「NIRSハードウェア&システム」の開発や、脳科学を活用した市場調査・商品開発支援をする「ニューロマーケティング」、脳の健康維持・向上を目的としたトレーニング「ブレインフィットネス」を提供している。脳科学の知見と技術を軸に、社会のさまざまな分野で人にフォーカスしたソリューションを展開し、脳科学の産業応用を目指す。
2024年6月には、運転に重要な認知機能を1分で簡単にチェックできる「運転脳力チェッカー」の提供を開始した。
企業HP:https://neumo.jp/ja
脳神経科学に基づいた聴覚のトレーニングや測定サービス、脳波を活用したニューロフィードバック音感向上サービス、音感トレーニングアプリなどを提供している。聞こえをトレーニングすることで認知症予防につながる。また、ブレインテックスリープテックなど脳神経科学の領域に特化した企業の新規事業支援も行っている。
企業HP:https://www.cyber-yoga.co.jp/
筑波大学発のベンチャー企業で、最新のテクノロジーを取り入れたヨガスタジオ「サイバー・ヨガ スタジオ」を運営。 脳活動や自律神経の状態、ストレスを可視化し、ヨガのテクニックを応用した自己コントロールのトレーニングを提供する。
企業HP:https://www.dentsusciencejam.com/
2013年に電通とデジタルガレージによって設立された、脳波や生体情報を活用した感性分析を行う企業。同社の提供する「感性アナライザ」は、脳波を計測し、興味・好意・ストレスなどの感性指標を数値化するツールで、商品開発やマーケティング施策の効果検証に利用されている。感性アナライザは、2023年12月時点で欧州、アジアなど世界18エリアで活用されている。
2024年11月には、立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科 枝川義邦教授と共同で、購買時における脳波解析から感情による意思決定プロセスを評価する方法を新たに開発した。消費者の脳波パターンを解析し、購買行動中の心理変化を可視化し、さらなる高度なマーケティング戦略に対応する。
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※グローバルインフォメーション「ニューロテクノロジー市場の2030年までの予測:製品別、病態別、エンドユーザー別、地域別の世界分析」
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