睡眠データで生活を変革するスタートアップ4選

睡眠データで生活を変革するスタートアップ4選

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KEPPLE編集部

目次

  1. 健康の可視化で急成長するスリープテック
  2. スタートアップ4選
    • Rehabilitation3.0株式会社
    • 株式会社マリ
    • 株式会社S’UIMIN
    • 株式会社オー
  3. 睡眠データから応用できる、新しいビジネスの可能性

健康の可視化で急成長するスリープテック

近年、睡眠の改善は社会課題として⾮常に重要視されており、企業は、枕・寝具や健康食品など、さまざまなソリューションを開発してきた。その中でも、Sleep(睡眠)とTechnology(技術)を組み合わせたスリープテック分野が発展しており、矢野経済研究所によれば2026年には175億円まで成長することが予測されている。

人間の睡眠状態は、体動や呼吸、心拍数、いびき音、脳波、筋電など、様々な指標によって解析され、高性能なセンシングデバイスが身近に普及した現代ではそれを容易に行うことができる。つまり、誰でも睡眠管理が可能になった今、スタートアップはどんなビジネスの可能性を見出しているのだろうか。

今回は、そんなスリープテックに挑むスタートアップを4社紹介する。

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スタートアップ4選

Rehabilitation3.0株式会社

企業HP:https://rehabilitation3.jp/

介護事業者向けに睡眠時のバイタルデータを使った能力推定と事故リスクの可視化を行うスタートアップである。CEOの増田氏は作業療法士の経験を基にノウハウを事業化し、介護業界のイノベーションを目指している。医療・介護施設向けアプリ「SAA(Sleep Activity Assessment)」はセンサーから取得した患者又は介護施設入居者の睡眠時のバイタルデータを基に運動能力や認知能力を推定し、その日ごとの最適な運動プログラムや介護事故の可能性を使用者に伝えることができる。

直近では、2024年1月に資金調達を実施、今後は、50床以上の病床をもつ大型介護施設での導入を進め、2025年の夏までに30施設への導入を目指す。

株式会社マリ

企業HP:https://marisleep.co.jp/info/

睡眠時無呼吸症候群の診断と治療を行う装置の開発を医療機関や在宅向けに行っている京都のスタートアップである。東北大学と京都大学と同志社大学の3大学による解析技術や非接触センシング技術の共同研究によって、睡眠障害が引き起こす重大疾患リスクの予防や治療を行う。CEO兼CTOの瀧 宏文氏は京都大学の医学部から東北大学の特任教授を経て起業した。

「VitaWatcher」は非接触で対象者の呼吸や心拍による体動をモニタリングすることが可能。従来のモニタリング手法で患者が自ら外してしまう課題や、接触測定による感染リスクに対して有効な対策として用いることができる。

2022年1月に3億円、2023年12月に3.4億円、2024年1月には追加で1億円の資金調達を完了し、今後はスマートフォンのマイクを使った生体モニタリングや無呼吸の検知で実用化を模索するとともに、VitaWatcherの海外展開を推し進める考えだ。

株式会社S’UIMIN

企業HP:http://www.suimin.co.jp/

医療機関と個人向けに脳波測定ウェアラブルデバイスと睡眠測定サービスを提供するスタートアップである。CEOの柳沢 正史氏は筑波大学の国際統合睡眠医科学研究機構の代表であり、同社から睡眠改善をビジネスとして拡大することを目指している。

「InSomnograf」は、睡眠時の脳波を解析し、改善提案を含めた睡眠評価レポートを提供するサービスであり、小さなデバイスを装着して寝るだけの手軽さを売りにしている。

2017年の設立以降、6回の資金調達で累計16億円を調達完了した。その中でも、サントリーやカルビーなどの食品系メーカー、協和などの美容系メーカーからの投資を積極的に集めている。今後は睡眠検査の導入を推進するとともに、睡眠時無呼吸症候群の診断を実用化することで診断種類の拡大を狙う。

株式会社オー

企業HP:https://o-inc.jp/

企業向けに人材管理システムと睡眠管理アプリを提供しているスタートアップだ。CEOの谷本潤哉氏は広告代理店のコピーライターを6年勤め、健康を損なった経験から睡眠に興味を持ち起業した。

O:SLEEPは、アプリとブラウザで機能する睡眠管理ソフトウェアである。タイマーをセットし腕の横に置くだけで自動で睡眠が記録され、レポートや改善提案を見ることができる。契約企業側では人事/マネジメント向けに組織の睡眠状況や生産性のレポートをダッシュボードで可視化できるので、組織改善やリスク予防に利用できる。

2016年12月の設立以降、2018年に累計2億9400万円の資金調達を実施。2020年頃から現在は人材管理システムCo:TEAMの導入拡大を目指しており、もともとメイン事業であったO:SLEEPは人材管理の付加価値として導入されている。

睡眠データから応用できる、新しいビジネスの可能性

これらのスタートアップにフォーカスすると、測定技術の会社もあれば、介護の現場や健康食品開発、人材管理など、「睡眠」というテーマから連想できるあらゆる物事がビジネスとなり得ることがよくわかる。スリープテックが今後も革新を続け、すべての人が健康である社会を実現するために、今後の動向に注目していきたい。

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※矢野経済研究所「スリープテック市場に関する調査を実施(2023年)

Tag
  • #睡眠
  • #ヘルスケア
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