パワーエックス、シリーズC後半で31.7億円を調達ー研究開発と製造能力拡大へ

パワーエックス、シリーズC後半で31.7億円を調達ー研究開発と製造能力拡大へ

xfacebooklinkedInnoteline

蓄電池・再生可能エネルギー事業を手がけるパワーエックスは、シリーズCラウンド後半において、新たに総額31.7億円の資金調達を実施した。これにより同ラウンドでの調達総額は56.3億円、累計資金調達額は約290.9億円に達した。

今回のラウンドには、伊藤忠商事、三菱UFJ銀行、今治造船、Frontive Holding、豊田通商、その他金融機関および個人投資家が引受先として参加した。

同社は2021年に設立され、パワーエックスは2021年に設立され、蓄電システムの開発・製造を手がけるエネルギー企業だ。主な製品には、大型定置用蓄電池「Mega Power」、蓄電池型超急速EV充電器「Hypercharger」、昼間の太陽光を蓄えて夜間に活用できる「X PPA」などがある。これらの製品を通じて、再生可能エネルギーの普及に伴う電力系統の安定化に貢献している。

代表取締役社長の伊藤 正裕氏は、2000年、17歳でヤッパを創業し、3Dコンテンツのソリューションを提供した。2014年に同社をZOZOに売却し、ZOZOテクノロジーズの代表取締役CEOを経て、2019年にはZOZOの取締役兼COOに就任。「ZOZOSUIT」など数多くの新規プロダクトの開発を担当し、ZOZOグループのイノベーションとテクノロジーを牽引した。2021年3月にパワーエックスを設立し、エネルギー分野での新たな挑戦を続けている。

伊藤氏は、「今回のラウンドでは、既存株主の皆様からの追加出資も多く、大変励みに感じております。株主の皆様のご期待に応えると同時に、我が国のエネルギー自給率向上を支える国産蓄電池メーカーとしての役割を果たしてまいります。今後さらに努力を重ね、より良い製品の開発と提供に努めてまいります。改めまして、ご支援に深く御礼申し上げます。」とコメントした。

エネルギー基本計画において、再生可能エネルギーの主力電源化が掲げられ、蓄電池による調整力の拡大が求められている。蓄電システム市場は今後も成長が見込まれている。

今回の調達資金は、蓄電池の製造能力拡大と研究開発強化に充当する。現在、同社の蓄電システム導入実績は累計1GWhを超えており、増加する需要に対応するため、提携工場の増床を2025年下半期に予定している。さらに、岡山県玉野市の自社工場では第2製造棟の建設を検討し、2027年下半期の量産開始を目指す。

研究開発体制の強化も進め、次世代蓄電池製品や高度な電池制御技術の開発を加速する。研究拠点の移転・拡大を進めることで、技術開発の高度化と迅速な検証を実現し、国内外市場での競争力を高める方針だ。

画像はパワーエックス HPより

新着記事

STARTUP NEWSLETTER

スタートアップの資金調達情報を漏れなくキャッチアップしたい方へ1週間分の資金調達情報を毎週お届けします

※登録することでプライバシーポリシーに同意したものとします

※配信はいつでも停止できます

投資家向けサービス

スタートアップ向けサービス