株式会社エスマット

株式会社エスマットは、IoT在庫管理システム「SmartMat Cloud」の事業拡大に向け、シリーズCラウンドで約4億円の資金調達を実施。累計調達額が35億円に達した。今回の調達では、三菱倉庫のCVCファンドであるMLCベンチャーズを引受先とする第三者割当増資に加え、静岡銀行および北國銀行からの融資が含まれる。調達資金は、プロダクト開発、採用、広告宣伝費に充てられる予定だ。
同社は、IoT重量計を活用してリアルタイムに在庫を把握する「SmartMat Cloud」を提供。スマートマット上に管理対象の物品を置くだけで、重量変化から在庫数を自動的に計測・記録できる。これにより、日々の在庫確認や棚卸、発注業務の自動化が可能となり、在庫管理の効率化と精度向上を実現する。これまでに1200社以上が導入済みだ。特に近年では、サービス業界(医療・飲食・宿泊)に加え、自動車・化学などの大手製造業での採用が増加しており、製造業のDX推進に寄与している。
代表取締役の志賀 隆之氏は、大学院修了後、UBS証券を経てサイバーエージェントにて広告・アドテクやソーシャルゲーム事業に従事し、2014年に同社を創業。共同代表を務める林 英俊氏は、コンピューターサイエンス修士号を有し、ローランドベルガーやアマゾンでの経験を経て創業に参画。現在は経営全般に加え、IoT×SaaS領域での事業成長を推進している。
代表取締役の志賀隆之氏と林英俊氏は、「MLCベンチャーズ様とは、スマートマットを活用した自社施設での在庫管理の効率化を起点とする物流業界における在庫管理の課題解決や、製造業を中心とする取引先への販売代理店として、新たな市場の開拓や営業活動を共に推進してまいります。また、静岡銀行様および北國銀行様からはご融資をいただき、地域における深刻な課題である人手不足の解消に向けた取り組みをさらに加速させてまいります。エスマットは、『モノの流れを超スマートに』というビジョンのもと、今回の資金調達を通じて、より一層その実現に向けて歩みを進めてまいります。」とコメントしている。 (一部抜粋)
日本の製造業は労働人口減少という課題に直面しており、生産性の維持・向上と技術継承が重要なテーマだ。エスマットは、在庫管理から製造現場全体の業務効率化を支援することを目的に、生産ラインの工程全体に対応する機能開発を進めている。
今回の調達資金では、生産ライン全体の業務効率化に向けた機能開発を加速させるために活用する予定だ。今後も、製造業を中心に業界のDXを支援し、事業の拡大を目指す方針である。
画像はエスマット HPより