デジタル技術が描く新たな製造現場の風景、製造業の未来に挑戦する

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KEPPLE編集部


製造現場DXプラットフォームを開発する株式会社Smart Craftが1.1億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、ジェネシア・ベンチャーズ、ANOBAKA、三菱 UFJ キャピタル、エンジェル投資家。

今回の資金調達により、製造実績の収集や分析業務をデジタル化し製造現場のDX推進を目指す。

現場に最適化した製造現場DXプラットフォーム

同社が開発する「Smart Craft」は、製造現場における製造指示や実行など、一連の業務プロセスをデジタル化するクラウドサービスだ。

紙やエクセルに記載される生産実績を、作業者はタブレットなどのモバイル端末上で入力することでペーパーレス化に貢献する。現場の管理者は、端末上で入力された生産実績や作業進捗を、離れた場所からでもリアルタイムに確認できる。

サービスイメージ
Smart Craftは2023年1月よりベータ版の提供を開始し、国内の上場企業を含む中堅から大企業を中心に10社以上が利用する。2023年7月には正式ローンチを予定しており、すでに複数企業が有償で契約している。正式リリースから1年以内に30社以上に導入し、PMFの達成を目指す。

今回の資金調達に際して、代表取締役 浮部 史也氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

生産性の向上が急務な製造業

―― これまで、製造業界にはどのような課題がありましたか?

 浮部氏:近年、製造業における労働人口の減少が急速に進んでおり、かつて世界トップレベルであった日本の生産性は現在、低下の傾向にあります。

さらに、一つの製品を量産するのではなく、多品種少量化のニーズが高まっており、製造プロセスも複雑化しています。これらの背景から、労働者ひとりあたりの生産性を向上させることが、製造業全体として求められています。

製造業は他の業界に比べ利益率が低い傾向にあるため、コスト削減や納期の短縮など、あらゆるプロセスの効率化が非常に重要です。しかし実際の現場では、生産計画や生産実績の管理が属人的に行われており、紙やエクセルを用いたアナログな手法が依然として多く残っています。

また紙やエクセルを使っているため、製造プロセスに関するデータの一元管理が難しくなっています。そうすると「検索性」や「正確性」の課題から、製造現場で問題が発生した場合の原因究明に多大な時間がかかることも少なくありません。

DXをしたいと思っても、中小企業ではITに明るい推進者が在籍していないことも多いです。通信環境や必要な端末の準備が難しいだけでなく、導入予算が不足していることもあります。現場業務とITを組み合わせられるデジタル人材は変わらず不足していますが、デジタル推進部門を設立するなど、DXに向けた取り組みを本格化する企業は徐々に増えています。

―― Smart Craftを始めようと思ったきっかけを教えてください。

私は新卒でキーエンスに入社し、工場の自動化や省人化、生産性向上に関する製品販売の営業を担当していました。大学時代にスタートアップでインターンとしての勤務経験があり、いつかは起業することを考えていましたが、製造業以外のさまざまなマーケットについても知る必要があると思い、コンサルティングファームへ転職しました。

コンサルティングファーム在籍時にはプロジェクトに携わりながら、起業に向けたアイデアも検討していました。当初は別のビジネス領域での起業を考えていましたが、投資家からのフィードバックもいただく中で、これまでの自分の経験から、一番高い解像度を持てるのが製造業であると再認識しSmart Craftの創業に至りました。

―― Smart Craftの特徴や競合との差別化ポイントについて教えてください。

製造現場の方の使いやすさを意識して設計している点は、Smart Craftの大きな特徴です。日報ツールとデータ分析ツールなど、個別の各機能を組み合わせたデジタル化の提案をする企業もいますが、往々にして現場の運用コストや導入時の設定支援に要する高額な費用が導入の障壁になる場合が多いです。

Smart Craftは現場に最適化して必要な機能を、SaaSモデルとしてワンストップでで提供することで、イニシャルコストを抑えて導入いただくことが可能です。

サービスイメージ

あらゆるデータを活用した価値提供

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

当初は生産日報のペーパーレス化ツールとして提供していましたが、工場の現場業務を一気通貫でDXするプロダクトへと、機能の幅が広がっています。顧客への提供価値が増加するに伴い、組織を強化して開発を進めるために資金調達を行いました。

Smart Craftの受注も増えてきているため、今後はエンジニアやデザイナーに加え、セールスやカスタマーサクセスも積極的に採用していく予定です。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

短期的には、Smart Craftを通じた既存顧客への価値提供を確実に行い、PMFの達成を目指します。まずは既存顧客の満足度向上に努め、既存顧客の利用定着やアップセルを狙います。1年後にはARR1億円を目標にしています。

今後は設備からのIoTデータの収集や品質管理もできるようにプロダクトを拡張し、エンタープライズ企業への導入も増やしていきます。また日系大手企業が持つ、海外の製造拠点へも展開していく予定です。

さらに、在庫管理や設備データを活用した設備の予防保全など、プロダクトの提供機能も増える中で、徐々にサプライチェーン全体のデータが取得できるようになります。加えて現在は、製造業の人材不足を背景に、スマートファクトリーの需要が非常に高まっています。このデータを活用しながら、工場のスマートファクトリー化の支援を行うことも検討しています。巨大なモノづくり産業のDX推進を実現するために、各社とも連携しながら挑戦し続けていきたいと思います。

株式会社Smart Craft

株式会社Smart Craftは、製造企業向け現場データの一元管理SaaS『Smart Craft』を提供している企業。 『Smart Craft』は、製造現場の製造データや作業データの一元管理、自動集計が行えるクラウドサービス。同サービスは、タブレットやスマートフォンを用いて、生産日報のデジタル化を行うほか、生産実績の集計を、リアルタイムにグラフ表示することが可能であり、データ管理の効率化を支援する。

代表者名浮部史也
設立日2021年6月15日
住所東京都渋谷区道玄坂1丁目16番6号二葉ビル3階
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