イノバセル、再生医療製品「ICEF15」の開発加速へ10.6億円を調達

イノバセル、再生医療製品「ICEF15」の開発加速へ10.6億円を調達

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切迫性便失禁の治療の再生医療等製品を開発するイノバセルは、特定投資家向けの投資プラットフォーム「FUNDINNO PLUS+」を通じ、2024年12月27日付で総額10.6億円の資金調達を完了したと発表した。

同社は、2021年に日本で設立された再生医療ベンチャーで、オーストリアのインスブルック医学大学からスピンアウトした企業を前身としている。主に、切迫性および漏出性便失禁、腹圧性尿失禁の治療を目的とした細胞治療薬の研究開発・事業化に注力している。 主力製品「ICEF15」は、患者自身の筋芽細胞を利用し、局所投与による筋肉再生を図ることで、切迫性便失禁の根治を目指している。 また「ICEF15」は、第Ⅲ相日欧国際共同治験を進行中であり、日米欧での上市・販売体制の構築にも取り組んでいる。

2024年11月には、アルフレッサ株式会社と資本業務提携を締結し、10億円の出資を受けた。主力製品「ICEF15」の日本国内における独占的卸売販売権をアルフレッサに付与し、販売体制の強化を図る。

代表取締役のノビック・コーリン氏は、韓国生まれで、日本と米国で教育を受けた。コーネル大学在学中に1型糖尿病を発症し、細胞治療への関心を深める。トーマツ コンサルティング(現デロイト トーマツ コンサルティング)やSMBC日興証券(現SMBC日興証券)を経て、2012年に再生医療特化のアドバイザリー企業「CJ PARTNERS」を設立。2021年にイノバセルの取締役に就任し、2022年3月から代表取締役CEOを務めている。

再生医療分野では、先進的な治療法の研究が進み、高齢化社会に伴う排泄機能低下への対策が求められている。イノバセルの技術は、こうしたニーズに応える可能性がある。

今回の資金調達により、ICEF15の治験推進、米国での治験準備、日本での製造体制構築、他のパイプライン製品の研究開発、株式上場準備などを加速させる方針である。今後、同社の製品が市場に投入されることで、便失禁や尿失禁に悩む患者の生活の質向上に寄与することが期待される。

画像はイノバセルプレスリリースより

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