海外eSIMの先へ──トリファ、約50億円調達で旅行インフラ企業へ

海外eSIMの先へ──トリファ、約50億円調達で旅行インフラ企業へ

xfacebooklinkedInnoteline

海外eSIMアプリを提供する株式会社トリファは、シリーズCラウンドで総額約50億円(エクイティ17.3億円・デット33億円)を調達したことを発表した。累計調達額は約63億円となった。

今ラウンドの引受先は、グローバル・ブレイン9号ファンド、SMBC-GBグロースファンド、ANA未来創造ファンド。借入先は三菱UFJ銀行、みずほ銀行、商工組合中央金庫、日本政策金融公庫、りそな銀行。

トリファは2020年設立のトラベルテックスタートアップで、海外渡航者向けeSIMアプリ「トリファ」を展開している。eSIMは、物理的なSIMカードを使わずに、スマートフォンに内蔵されたデジタルSIMを通じてモバイル通信を利用できる仕組み。利用者はWi-Fiルーターのレンタルや物理SIMカードの差し替えを行うことなく、海外で通信サービスを利用できる。同社によると、「トリファ」は世界200以上の国・地域に対応し、累計ダウンロード数は200万件を突破しているという。

日本の海外旅行市場では、パスポート保有率が約18%にとどまるなど、海外渡航の裾野拡大が課題となっている。観光庁の調査では、費用面に加え、「何を準備すればよいかわからない」「手続きが面倒」といった心理的ハードルも、海外旅行を妨げる要因として挙げられている。

こうした背景を受け、同社は通信サービスにとどまらず、海外旅行を支える周辺サービスの拡充を進めている。すでにVPN、海外旅行保険、ラウンジパスなどを提供しており、今後は決済や交通予約といった旅行関連領域への展開も視野に入れる。

今回調達した資金は、旅行関連の新規事業開発、東アジア市場を中心とした海外展開の強化、旅行特化型AIエージェントの開発、組織体制の拡充などに充てる方針だ。

旅行業界では、OTAや予約プラットフォームを起点に、決済や保険などの周辺サービスを組み込み、旅行体験を広く支援する動きが広がっている。生成AIの普及により、旅行計画や問い合わせ対応の自動化も進みつつあり、旅行者を一気通貫で支援する仕組みへの期待も高まる。

トリファは今回の資金調達を機に、旅行前(旅マエ)、旅行中(旅ナカ)を通して旅行客をサポートする旅行インフラ企業としての進化を目指すとしている。国内で構築した事業基盤を足掛かりに、グローバル展開も加速させる考えだ。

※トリファが外務省統計をもとに算出

新着記事

STARTUP NEWSLETTER

スタートアップの資金調達情報を漏れなくキャッチアップしたい方へ1週間分の資金調達情報を毎週お届けします

※登録することでプライバシーポリシーに同意したものとします

※配信はいつでも停止できます

ケップルグループの事業