住宅を“考え、動く空間”に──MW、30億円シード調達で住宅フィジカルAIの実装へ

住宅を“考え、動く空間”に──MW、30億円シード調達で住宅フィジカルAIの実装へ

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AIロボティクスを組み込んだ次世代住宅「Living Home」を開発する株式会社MWは、エクイティ調達および金融機関からの借入により、シードラウンドで累計30億円を調達したことを明らかにした。

引受先には、ALPHA、全国保証イノベーションファンド、ゆうちょ Spiral Regional Innovation Fund、SMBC Edge、FFGベンチャービジネスパートナーズ、三菱UFJキャピタル、GMO AI&ロボティクス商事などが名を連ねた。

MWは、AIやロボティクスを活用した住宅開発を手がけるスタートアップだ。同社が掲げる「Living Home」は、住宅が自ら周囲の状況を認識し、判断し、行動することを目指す住空間である。一般的なスマートホームが家電の遠隔操作や一部機能の自動化にとどまっていたのに対し、住宅全体をソフトウェアとAIで統合し、自律的に機能する環境の実現を構想している。

住宅業界では、IoT機器やスマート家電の普及が進む一方で、機器ごとに異なるアプリやシステムで管理されるケースも多い。住空間全体を一つの環境として制御し、生活者の状況に応じて最適化する仕組みは、まだ限定的だ。

加えて、日本では少子高齢化や人手不足を背景に、生活空間における自動化や省人化への関心が高まっている。介護、家事、見守り、防犯、エネルギー管理など、住宅に求められる役割は広がっており、住まいそのものをテクノロジーの実装基盤として再設計する動きが重要性を増している。

こうした中でMWが採るのは、住宅そのものをAIが稼働するプラットフォームとして捉え直すアプローチだ。同社は、住宅内に配置されたセンサーやAIが環境や利用者の状況を把握し、ロボットなどを通じて最適な行動を実行する「住宅フィジカルAI」の実現を目指している。

すでに複数の住宅プロジェクトを進めており、同社によると東京・碑文谷で展開する第1号プロジェクトは、販売開始直後に購入申し込みが入り、問い合わせ件数は1000件を超えたという。福岡・警固での第2号プロジェクトに続き、神奈川・山手では第3号プロジェクトの建設が進んでおり、2026年6月末に竣工予定としている。

また、現在は都心部、地方、リゾートエリアを含め、10件以上のプロジェクトが進行中だという。今後は自社ブランドでの住宅供給に加え、住宅プラットフォームをハウスメーカーやデベロッパーへ提供する事業展開も視野に入れる。

MWはまた、住宅内で稼働するロボットやAIシステムの開発に加え、実際の住環境から得られる行動データや環境データを活用した学習基盤の構築にも取り組む。将来的には専用データセンターの設立も検討しており、住宅から得られるデータをAI開発に還元する循環型の開発体制を目指す。

今回調達した資金は、住宅プロジェクトの拡大、AI・ロボティクス開発、住宅プラットフォーム基盤の整備、人材採用および組織体制の強化などに充てる。

住宅を単なる居住空間ではなく、AIとロボティクスが社会実装されるインフラとして捉え直すMWの構想は、スマートホームの次の段階を示すものともいえる。同社は今後、エンジニアリング、建築、不動産、事業開発など幅広い領域で採用を進めながら、AIと住宅を融合した新たな住環境の実現を目指す。

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