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原子・分子レベルで“質”を可視化するセンシング技術──ASEMtechがシリーズAで2.5億円を調達、医療機器実用化へ本格始動


超音波によって電気・磁気の状態を可視化する独自技術「音響誘起電磁法(ASEM法)」の社会実装を目指すASEMtech株式会社は、シリーズAエクステンションラウンドで第三者割当増資による総額1.5億円を調達した。2025年4月のシリーズAラウンドでの2.5億円と合わせ、シリーズA累計調達額は4億円となる。
引受先には、飯能信用金庫、多摩信用金庫、BPキャピタル、レオ電子が参加した。
ASEMtechは、ASEM法を活用した医療応用機器および産業用非破壊検査機器の研究開発を進めるスタートアップだ。ASEM法は、超音波を用いて対象内部の電気的・磁気的特性を非侵襲で可視化する技術で、医療分野では組織状態の評価、産業分野では内部欠陥や材料状態の検査への応用が期待されている。
今回の調達により、同社は医療・産業の両領域で事業展開を加速する。医療分野では、ASEM法を用いた医療機器プロトタイプが完成し、大学病院で運動器疾患を対象とした臨床研究が始まった。コラーゲン線維の蓄積や配向性を非侵襲で可視化する技術として、臨床的有用性の検証を進める。
あわせて、第二種医療機器製造販売業許可も取得。これにより、薬事申請や上市に向けた開発・品質管理体制の整備が進んだ格好だ。さらに、シンガポールの医療機関と共同研究や臨床導入に向けた協議も開始しており、アジアでの展開も視野に入れる。
産業分野では、シード期に開発した非破壊検査装置がすでに事業化段階に入っている。鉄鋼・素材検査やインフラ保守向けに販売を開始しており、今後は顧客開拓と製品ラインアップの拡充を進める方針だ。
近年、医療現場では低侵襲・非侵襲で組織状態を把握する診断技術への需要が高まっているほか、産業領域でも設備老朽化や品質管理高度化を背景に、高精度な非破壊検査技術の重要性が増している。ASEMtechは、こうしたニーズを背景に、独自技術の実装を両市場で進める構えだ。
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