“歯を再生する抗体医薬”を次段階へ──トレジェムバイオファーマ、PreシリーズCで約8.5億円調達

“歯を再生する抗体医薬”を次段階へ──トレジェムバイオファーマ、PreシリーズCで約8.5億円調達

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歯の再生治療薬を開発するトレジェムバイオファーマ株式会社は、PreシリーズCラウンドで約8.5億円を調達したと明らかにした。J-KISS型新株予約権の割当および第三者割当増資により実施したもので、補助金を含む累計資金調達額は約46億円超となった。

本ラウンドでは、JICベンチャー・グロース・インベストメンツが既存投資家として参加したほか、大阪大学ベンチャーキャピタル、美ホールディングス、松風、SIIFインパクトキャピタル、中信ベンチャーキャピタルが新たに参画した。

トレジェムバイオファーマは、京都大学大学院医学研究科口腔外科学分野で行われた研究成果を基盤に、2020年に設立されたスタートアップだ。抗体医薬による歯の再生治療薬の研究開発を進めており、骨形成に関わる分子「USAG-1」を抑制することで歯の再生を促す技術の実用化を目指している。

同社によると、USAG-1を抑制する中和抗体を用いた研究では、無歯症モデル動物において、欠損歯が歯槽骨とともに回復することを確認しているという。現在は、先天性無歯症を最初の適応疾患として臨床開発を進めている。

先天性無歯症は、生まれつき歯の本数が少ない、あるいは歯が存在しない希少疾患だ。未成年患者では顎骨が成長過程にあるため、義歯やインプラントの適用が難しいケースも多い。根治的な治療法が限られるなか、自己歯の再生を目指す新たな治療法として期待が集まっている。

同社はこれまで、リードパイプラインである「TRG035(ヒト化抗USAG-1抗体)」について、非臨床安全性試験や治験薬製造、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)との相談対応、第1相臨床試験などを進めてきた。

今回調達した資金は、TRG035の国内第2相臨床試験や海外臨床試験の準備・実施に充当するほか、研究開発体制や経営管理体制の強化、人材採用などにも活用する方針だ。

また、同社は国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)の「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」に採択されており、累計約20億円の補助金交付決定を受けている。

高齢化の進展に伴い、口腔機能の低下が健康に及ぼすリスクへの関心も高まっている。トレジェムバイオファーマは、将来的には高齢者のオーラルフレイル改善への展開も視野に入れ、歯科領域における新たな治療選択肢の実用化を目指す。

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