モルミル株式会社

難治性疾患向けの創薬技術開発を手がけるモルミル株式会社は、シリーズAラウンドで第三者割当増資による3億円の資金調達を実施した。既存投資家のUntroD Capital Japan、三菱UFJキャピタル、池田泉州キャピタルに加え、新たにBPキャピタル、南都キャピタルパートナーズ、肥銀キャピタルが引受先として参画した。
モルミルは、奈良県立医科大学、産業技術総合研究所、徳島大学の研究成果を背景に創業した創薬スタートアップだ。筋萎縮性側索硬化症(ALS)※1をはじめとする難治性疾患を対象に新規治療薬の開発を進める。アカデミア発の技術シーズを基盤に、分子の“動き”を可視化する独自の創薬基盤技術を強みとする。
従来の創薬は、分子の静的な構造情報をもとに標的を探索する手法が中心だった。一方、生体内で動的に変化する分子は標的化が難しく、十分に活用されてこなかった。同社は分子動態を詳細に解析し、“動く”分子を創薬対象として捉えるアプローチを進める。病態に対する薬効を分子動態に基づいて評価することで、創薬の成功確率向上も狙う。
独自技術「CHEmir」「MAGmir」を活用し、ALSの原因因子とされるTDP-43を標的としたヒット化合物の取得に成功したという。分子の動きに着目した手法で創薬が成立しうることを示す成果と位置づける。
また奈良県立医科大学との共同研究では、心疾患関連の後天性フォン・ヴィレブランド症候群(AVWS)※2に対する治療薬の作用機序解明を進めており、このプロジェクトを自社パイプラインとして展開している。医師主導治験による第I相試験の開始に向けた準備を進めているという。
今回の調達資金は、TDP-43を標的とした凝集制御薬の研究開発、分子動態解析プラットフォームの高度化と適用領域拡大、AVWSに対する抗体医薬・診断技術の開発、製薬企業との共同研究・アライアンス推進、研究開発および事業開発体制の強化に充てる。今後はALSに加え、アルツハイマー病、心疾患、がんなど幅広い疾患領域への展開を進める方針だ。
※1 筋萎縮性側索硬化症(ALS):全身の筋肉を動かす神経(運動ニューロン)が徐々に変性・消失し、手足、喉、呼吸筋の力が衰えていく進行性の難病。
※2 フォン・ヴィレブランド症候群(AVWS):止血に不可欠なフォン・ヴィレブランド因子(VWF)が、後天的に減少・機能低下する、稀な出血性疾患。









