株式会社Arktus Therapeutics

iPS細胞由来の再生医療等製品を開発する株式会社Arktus Therapeutics(アルクタスセラピューティクス)は、シリーズAエクステンションラウンドにおいて、A種優先株の追加発行により6000万円を調達した。セゾン・ベンチャーズとBIG Impactがそれぞれ運営するファンドが引受先として参画した。
同社は2025年9月に、京都大学イノベーションキャピタル、京都キャピタルパートナーズ、QBキャピタルなど8社を引受先とする総額6.6億円のシリーズA調達を発表している。
Arktus Therapeuticsは、佐賀大学医学部附属再生医学研究センターの中山功一教授と、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の池谷真准教授の研究成果をもとに、2023年に設立されたスタートアップだ。iPS細胞由来の間葉系間質細胞(MSC)や軟骨細胞を作製する技術と、バイオ3Dプリンタによる軟骨組織作製技術を組み合わせ、変形性膝関節症などを対象とした再生医療等製品の開発を進めている。
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減ることで痛みや歩行機能の低下を引き起こす疾患で、世界で約3.5億人の患者がいるとされている。高齢化に伴い患者数の増加が見込まれており、歩行や日常生活に支障をきたすことで、生活の質(QOL)にも大きく影響する。一方で、進行した軟骨損傷を根本的に回復させる治療法は限られている。薬物療法や人工関節置換術など既存治療を補完する新たな選択肢として、再生医療への期待が高まっている。
調達した資金は、iPS細胞由来軟骨インプラントについて、GLP※1基準および信頼性基準※2に基づく非臨床試験の完遂に充てる。あわせて、変形性膝関節症を対象とした臨床試験開始に向けた準備や、基盤技術を活用した後続パイプラインの開発加速にも活用する方針だ。
※1 GLP(Good Laboratory Practice):医薬品などの安全性に関する非臨床試験の実施基準。信頼性の高い試験結果を得るための組織体制や手順などを定めたもので、日本語では「医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準」と訳される。
※2 信頼性基準:医薬品などの申請資料について、データの正確性、完全性、保存性に基づいて作成することを求める基準。薬機法施行規則第43条に規定されている。









