CFOneが1.7億円調達、AIで“すべての人にCFOを”

CFOneが1.7億円調達、AIで“すべての人にCFOを”

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「すべての人にCFOを」をミッションに掲げ、AI税務OS「CFOne(シフォン)」を提供する株式会社CFOneは2026年6月19日、プレシリーズAラウンドで総額1.7億円を調達したと明らかにした。Coreline Ventures、ANOBAKAを引受先とする第三者割当増資に加え、みずほ銀行からの融資も受け入れた。同社発表によると、これにより累計調達額は2億円となった。

CFOneは、AIを活用した税務処理の自動化に取り組むスタートアップだ。個人事業主と中小事業者をターゲットに、税務サービス(AIと税理士によるサポート)を提供する。「CFOne」は、領収書・通帳・クレジットカード明細の会計処理から、チャットによる相談、申告までの税務業務をAIエージェントが処理し、利用者は内容を確認して「承認」するだけで手続きが完結する設計のサービスである。上位プランでは、同社運営の会計事務所に税務全般を任せることが可能だ。

CFOneのUI。AIが業務を処理し、利用者や税理士はそれを承認する仕組み。(画像:同社提供)
CFOneのUI。AIが業務を処理し、利用者や税理士はそれを承認する仕組み。(画像:同社提供)

代表取締役の木村 優太氏によると、同社サービスはAIエージェントを前提とした業務設計により、従来の税理士・会計事務所と比較して事業をスケールしやすい点が強みであるという。AIエージェントの開発を進め、業務の8割をAIで代替することを見据える。

また、AI活用によりリーズナブルな価格帯でサービスを提供できる点も強みだとしている。税理士に決算・申告まで含めて依頼する場合の相場は約40〜50万円であるが、木村氏は、その費用面のハードルの高さから税理士への依頼を見送ってきた層が一定数存在すると見ている。年額10万円という価格設定で、一般的な税理士に依頼するよりも手軽に利用できる点を訴求する。

木村氏自身は税理士で、会計事務所での実務を経て独立し、同社を創業した。動機となった背景について、同氏はこう語る。

起業を考えた際に、税務は税理士法により規制されているため、競合のプレイヤーが入りづらい点に着目しました。また、弁護士業務等と異なり、定型的な業務が多いため、AI活用の余地が大きい。既存の税務サービスをAIによって根本的に変えることができると考えました。

税理士業界では、高齢化と担い手不足が構造的な課題となっている。日本税理士会連合会が2024年にまとめた報告によると、60歳以上の税理士が全体の53.6%を占め、20代・30代は6.6%にとどまる。後継者が「いない」と回答した税理士の割合は8割を超えるとの報道もある。その一方で、新設法人やフリーランスは増加傾向にあり、インボイス制度や電子帳簿保存法といった制度変更によって税務の負荷は増している。需要が増える一方で対応できる税理士が減少しているという構図だ。

こうした環境を背景に、AIを使って税務・会計業務を効率化するサービスは増えている。CFOneは、AIによる処理と会計事務所による確認を組み合わせ、利用者の「承認」だけで完結させる点を特徴として掲げる。

AIだけで判断がつかない場合、利用者に確認する仕組みとなっている。(画像:同社提供)
AIだけで判断がつかない場合、利用者に確認する仕組みとなっている。(画像:同社提供)

木村氏は調達資金の使途について、プロダクト開発と、税理士によるオペレーションの整備、そして新規顧客獲得のためのマーケティングを挙げた。次回の資金調達を見据え、年間数百件規模のユーザー獲得と、ARR(年間経常収益)数億円程度への到達を挙げる。

同社は既に、自社運営の会計事務所で50社以上の実証を行っている。今後は、AIエージェントによる業務処理精度を高める傍ら、納税期限が近づいた際にリマインドするなど、AIエージェントが能動的に支援する仕組みも強化していく。中長期的には、融資の最適化など資金回りのサポートへと領域を広げる構想だ。最終的には法人だけでなく個人にもサービスを提供し、保険や相続なども含めた「お金回り」全般について、利用者ごとに財務面の支援を行うことを目指す。まさにすべての人にCFOがいる状態を作る試みだ。

税理士の高齢化と中小事業者の増加が同時に進むなか、人手に依存してきた税務処理を、AIによりどこまで代替できるか。続報が楽しみだ。

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