3Dプリンタ型枠を手がけるDigitalArchi、3.5億円を調達し技術開発と生産体制を強化

3Dプリンタ型枠を手がけるDigitalArchi、3.5億円を調達し技術開発と生産体制を強化

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3Dプリンタを用いた建築向けコンクリート用樹脂型枠の開発・製造を行うDigitalArchiが、シードラウンドにて第三者割当増資による約3.5億円の資金調達を完了したと発表した。

今回のラウンドでの引受先は、慶應イノベーション・イニシアティブ、豊田合成、三井住友海上キャピタル、DBJキャピタル、SMBC ベンチャーキャピタルの5社。

同社が提供する「デジタル型枠」は、3Dプリンタ技術を活用して製造されるコンクリート用樹脂型枠である。従来の木製型枠と異なり、樹脂を素材として使用することで、複雑な形状の型枠を低コストかつ短期間で生産できる点が特徴だ。また、材料には再生プラスチックを使用し、資源循環や廃棄物削減への貢献も期待される。

従来の型枠製造プロセスでは困難だった複雑形状のコンクリート構造物を、迅速かつ効率的に施工できる可能性が広がる。

同社の代表取締役である松岡 康友氏は、東京芸術大学建築科を卒業後、東京大学大学院学際情報学府を修了。2006年に竹中工務店に入社し、技術研究所にてIoT・AI・VR・AR関連の研究開発に従事した。2014年には慶應義塾大学との共同研究で建築用大型3Dプリンタ「ArchiFab」を開発し、2020年からは慶應義塾大学の特任准教授としてロボットアーム式3Dプリンタ「ArchiFab Mai」を開発。その後、2023年6月にDigitalArchiを創業した。

建設業界は慢性的な人手不足や高齢化という課題を抱える一方で、複雑な形状のコンクリート構造物への需要が高まっている。従来の木製型枠では対応が困難なケースに対し、DigitalArchiのデジタル型枠は、低コストかつ短納期での製造を可能とすることで、施工の効率化や省人化を支援すると期待されている。

2024年2月には、プレシードラウンドにて慶應イノベーション・イニシアティブ、三井住友海上キャピタルを引受先とした、J-KISS型新株予約権による資金調達を行っている。

今回の資金調達により、人材採用の加速、製造拠点の増強、技術開発に活用される予定だという。特に技術開発では、ロボットアーム型3Dプリンタを活用し、BIMなどのデジタルデータから型枠を直接製造できるシステムの開発、型枠の用途に適した樹脂素材の選定・開発などに注力する。

画像はDigitalArchiプレスリリースより

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