mento、「マネジメントAI」を正式発表──2026年1月に提供開始へ

mento、「マネジメントAI」を正式発表──2026年1月に提供開始へ

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株式会社mentoは、AIと人が協働する新しいマネジメント支援サービス「mento マネジメントAI」を2026年1月から提供開始することを発表した。管理職の感情労働をAIが代行することで、組織全体のマネジメント負荷を軽減し、「マネジメントサクセス」の実現を目指す。

同社は2018年に設立されたスタートアップで、これまでに累計70000時間以上のコーチングを提供し、管理職の行動変容を支援してきた実績がある。

今回新たに発表された「マネジメントAI」は、部下の内省や悩みをAIが日常的に引き出し、上司が戦略や成長に集中できる環境を整える仕組みだ。週1回15分のAIセッションを通じて、メンバーが自分の目標や感情を整理し、必要な情報のみを上司に共有する設計となっている。

サービス使用画面
週に1回15分、AIと話すだけで頭の中を整理整頓。 振り返りと翌週からの行動計画をサポート

代表の木村憲仁氏は、「AIに話すことでメンバーが抱える“モヤモヤ”を言語化しやすくなり、管理職はチームの状況を的確に把握できるようになる」と説明する。また、従来の1on1では上司のスキルや時間的制約により「深い対話が困難」だった点を、AIとの対話によって補完する狙いがあるという。

導入の背景には、現場の管理職を取り巻く環境の複雑化がある。多様なメンバーのマネジメント、リモートワークによる見えにくさ、ハラスメントリスクへの配慮、ジョブ型評価など、多層的な要因が中間管理職の負荷を高めている。

「HR領域では採用や勤怠などのDXは進んできたが、マネジメント領域は“未解決”のまま取り残されている。現場の管理職にとっては、SaaSに置き換わっただけで実質的な支援が届いていないという声が多くある」と木村氏は話す。

「マネジメントAI」では、AIによるコーチング対話を通じてメンバーの行動や心理状態を自動で整理。Teamsなどのツールと連携し、カレンダーや会議情報などを元にしたタイムリーなフィードバックや評価支援も行う。

チームの状況をAIが可視化し、今、誰を フォローすべきか一目瞭然

AIは状況に応じた問いかけや選択肢を動的に生成し、定型的なチェックリストではなく、個々の文脈に適応したやり取りが可能となっている。これにより、従業員は自己認識を深める機会を得るとともに、マネージャーへの報告の質も向上。「問いかけの角度や言葉の選び方ひとつで、出てくる答えは変わる。70000時間の人によるコーチングから得た知見を、AIにも反映している」と木村氏は語る。

木村氏は、新卒でリクルートホールディングスに入社し、中古車情報サービスなどのプロダクト開発やUX設計に携わった後、2018年に起業。自身がコーチングを受けた経験から、mentoの構想を着想し、事業化に至った。

現在はコーチング×テクノロジーを軸に、プロダクト化と人材支援を両立するモデルを志向している。「AIと人が二人三脚でチームを支えることが、これからのマネジメントの標準になる」と語るように、同社は人とAIの共進化に軸足を置いている。

業界では、人的資本経営や従業員エンゲージメント向上への注目が高まりを見せており、とくに中間管理職の負担増が社会的な課題として顕在化している。mentoの調査によると、管理職の約83%が月1回以上の「燃え尽き」を経験しており、バーンアウトのリスクが高まっているという。このような背景から、「管理職の孤立を防ぎ、組織として成長を支える」ことが、企業にとっても喫緊のテーマになっている。

「完璧な上司像」を手放し、AIと人が二人三脚でチームを導く時代へ

同社は、「対話と行動が連鎖する自律型組織の実現が、これからの経営のスタンダードになる」とし、AIと人が二人三脚で成長を支えるマネジメントスタイルを提案している。

また、将来的には1on1支援への同席機能や、評価文書の自動生成、目標進捗のリアルタイム可視化といった拡張も計画中で、「ゼロからのマネジメントを支援する、オールインワンのインフラ」を目指しているという。

今後の展開としては、マネジメント業務における個人依存の排除、ノウハウの構造化、チームデータの可視化による成果創出といったテーマが見込まれる。導入企業での実証と改善のプロセスを経て、同社が描く「マネジメントの再定義」が、どのように社会に広がっていくか注目される。

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