価値観軸で業界に縛られない就活を、AIで学生のキャリア開発支援

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KEPPLE編集部

AIを活用した学生の就活・キャリア開発支援サービス「BaseMe」を運営するアレスグッドがプレシリーズAラウンドにて、第三者割当増資による総額4.6億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドの引受先はサイバーエージェント・キャピタルとWiL。

今回の資金調達により、AI関連機能強化に向けた海外人材の採用やマーケティング活動を強化する。

変わる就活 大事にする価値観やテーマで企業探す

BaseMeは学生向けの就活サービス。既存の就活サービスが業界や職種で企業を検索するのに対し、BaseMeは「価値観マッチング」を掲げ、価値観やテーマで企業を検索する点が特徴だ。

企業検索のフィルター
学生は重視する価値観やテーマで求人を探すことができる(画像:BaseMeウェブサイトより))

学生はこれまでの活動経験や「大事にしている価値観」をプロフィールで表現できる。企業は15000人を超える登録ユーザーの中から、自社にマッチする人材に対して個別スカウトを送信する。

アレスグッドの設立は2020年。代表の勝見 仁泰氏が、自身が就活をした際の経験から社会課題で企業選びができるサービスがあればと、BaseMeの前身となる「エシカル就活」の提供を開始した。2024年2月にサービス名称をBaseMeに変更し、多様な価値判断軸でのマッチングを実現するサービスとして展開している。

今年7月にはBaseMeにAI機能を搭載。学生のプロフィールを読み込んで分析し、自分の強みや弱みといった、就活で考えるべきポイントについてAIを相手に壁打ちできる。企業と学生のマッチング精度向上に貢献する。

今回の資金調達に際して、勝見氏に話を伺った。

「業界で選ぶ就活」からの脱却 「価値観で選ぶ」学生とのミスマッチ防止

―― 御社がターゲットしているのは「就活」です。どのような課題があるのでしょうか。

学生自身のやりたいことというよりかは、周囲の情報で決めざるを得ないという「情報の非対称性」がまずあるかなと思っています。同時に、そういった学生のキャリアに関する解像度を高める支援も足りていない。

自分自身にマッチする企業を探すことも難しくなっています。「商社・コンサルタント・IT」などのキーワードで企業を探すことが数十年変わっていないんです。就活のプラットフォームと、価値観に基づいて企業を選ぶ学生との間にミスマッチが起きてしまっています。

スタートアップスカウト

―― BaseMeならではの特徴について教えてください。

コーチングのように自分のキャリアについてAIと話せる「BaseMeAI」という機能があります。30分以上AIとやり取りしているユーザーもいます。対話を通じてAIが自分に合う企業をレコメンドしてくれるんです。これまでは自分で企業をリサーチする必要がありました。コーチングを通じて出てくるキーワードやデータをもとに、企業からスカウトが届くのも特徴です。

左:BaseMeプロフィール画面、右:BaseMe AI画面
左:BaseMeプロフィール画面、右:BaseMe AI画面(画像:アレスグッド社プレスリリースより)

企業が困っているのは、本当に必要な人材の言語化や可視化はできていない事だと思います。たとえばこれまでは「体育会系で上下関係がしっかりしている。元気で頭が良い」といったペルソナを持っていたとしても、さらに深ぼって「実際にどのようなことに関心がある人なのか」という部分はできていなかった。今ではアクセンチュアのように、企業がさまざまな業界・業種と競合するようになっています。こうした背景から、より詳細な価値観に基づいて学生にアプローチしたいというニーズが生まれ、BaseMeが持つユーザーの価値観データに関心をいただくことが増えています。

また、ユーザーのプロフィールデータをユーザー間で共有するSNSのような機能も開発を進めています。学生団体の中で自己紹介のプロフィールツールとして使っていただくようなイメージです。SNSはたくさんありますが、ビジネスシーンで利用できるSNSがZ世代にはないんですよね。ここに我々が入り込んでいっているところです。

目指すは5万ユーザー達成 中期ではタレマネ領域へ

―― 8月にはプレシリーズAで4.6億円の資金調達実施を発表しました。

調達資金の使途は主に採用です。現在フルタイムのメンバー20名弱の組織で、半分がエンジニアチームです。海外からの採用も含め、LLMを中心としたAIへの投資がまず一つあります。我々が実現したいのは「人の価値観をテクノロジーで解放する」こと。そのための技術を持ったエンジニアを求めています。もう一つがマーケティングを通じたユーザーの獲得です。これから半年でユーザーは5万人程度にまで増やしていきます。

―― 今後の展望を教えてください。

現在ターゲットしている市場は就職活動です。AIベースのサービスとしてBaseMeを使っていただきながら、まずは2,3年でこの市場をしっかり取り切りたいなと。その次はグローバル含めた中途採用やキャリア、タレントマネジメント領域への展開を計画しています。

スタートアップの導入も増えています。新卒採用しているスタートアップの多くは「10人の優秀層を採用したい」といったスタンスです。新卒採用のカルチャーを作っていくフェーズのスタートアップはとりあえずBaseMeを使ってもらえるような、そんなポジションをとっていきたいと思います。

就活というのはこれまで全然変わっていない。このマーケットを変えて、世の中がびっくりするくらい大きなインパクトを残したいですね。

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「スタートアップスカウト」は、ストックオプション付与を想定したハイクラス人材特化の転職支援サービスです。スタートアップ業界に精通した当社エージェントのほか、ストックオプションに詳しい公認会計士やアナリストが伴走します。

求職者向けページ:https://startup-scout.kepple.co.jp

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