NABLAS株式会社

生成AIの普及で重要性が高まる偽情報対策
生成AIの進化により、文章だけでなく、画像や動画、音声などのコンテンツを手軽に生成できるようになった。一方、本物と見分けることが難しい画像や映像、音声を作り出す「ディープフェイク」など、AIを悪用した偽情報やなりすましへの対応も課題となっている。
SNSなどを通じて情報が短時間で広く拡散し、偽の画像や動画、音声が詐欺などに悪用されるケースもある。人の目や耳だけで真偽を判断することが難しくなるなか、情報の内容やコンテンツの信頼性を確認する仕組みの重要性が高まっている。
こうした課題に対し、AIを活用してフェイクコンテンツを検知する技術や、SNS上の情報の真偽を検証するファクトチェック支援サービスなどが登場している。また、画像や映像の出所や編集履歴を記録し、コンテンツの真正性を確認できる仕組みの開発も進んでいる。偽情報を「見抜く」だけでなく、情報の信頼性を検証・証明するためのアプローチも広がりつつある。
今回は、偽情報やディープフェイクなどの課題に対し、AIによる検知やファクトチェック、コンテンツの真正性確認などに取り組むスタートアップ5社を紹介する。

スタートアップ5選
NABLAS株式会社
企業HP:https://nablas.com/
東京大学発のAIスタートアップで、AI人材育成、研究開発、コンサルティングなどを手がける。生成AIや画像認識、音声処理などの技術を活用し、企業のAI導入や業務課題の解決を支援するほか、実践型のAI人材育成サービス「iLect」も提供している。
また、企業向けのフェイク検知サービス「KeiganAI」を開発・提供する。画像、動画、音声、テキストに対応し、ディープフェイクや偽・誤情報をAIで分析。SNSやインターネット上の情報、ニュース素材などのファクトチェックに活用できる。生成AIによるなりすましや情報改ざんなどのリスクが高まるなか、企業のブランドや情報の信頼性を守るためのリスク対策を支援している。
株式会社ニュウジア
AI生成コンテンツの検証サービス「ArtProof」を開発・提供する。画像に含まれるAI生成の痕跡を複数の検出技術で分析し、判定スコアや疑わしい領域を可視化。生成AIの普及によって、人が制作したものかAIによるものかを判断することが難しくなるなか、コンテンツの真正性や信頼性を確認する仕組みを提供している。
「ArtProof」は、ゲームやアニメ、広告、出版などの制作現場を対象に、外部から納品された素材や公開前のコンテンツにAI生成物が含まれていないかを確認する用途などを想定する。検証結果は、判定内容やファイル情報を記録した「検証記録書」として残すことも可能。AI生成コンテンツをめぐる誤認やブランド毀損などのリスクに対し、コンテンツ公開前の確認や品質管理を支援している。
株式会社ロジック・アンド・デザイン
画像・映像の鮮明化や復元高解像度化に関する技術を開発する。独自の画像鮮明化技術「LISr(リサ)」と復元高解像度化技術「Re:Na(レナ)」を軸に、暗所や逆光、霧、低解像度などで見えにくい画像・映像を見やすくするソリューションを提供。ハードウェアやソフトウェア、クラウド、SDK・APIなどさまざまな形で提供し、医療や防犯・監視、インフラなど、画像・映像の正確な確認が求められる領域で活用されている。
近年は、生成AIによるフェイク画像・映像への対策にも取り組む。2026年7月には日本テレビと、AI生成コンテンツを識別する「真贋判定技術」の共同開発を開始。同年9月には、フェイク画像判定に関する技術について特許を出願したと発表した。
株式会社データグリッド
京都大学発のAIスタートアップで、生成AIを活用したソリューションやAIプロダクトを開発・提供する。また、偽・誤情報やディープフェイクへの対策にも取り組んでいる。
SNSユーザー向けのファクトチェック支援アプリ「シラベル」では、SNS上の投稿などから検証対象となる主張を抽出し、AIが信頼性の高い情報源を探索。主張を裏付ける情報と否定する情報の双方を提示し、ユーザー自身が情報の信頼性を判断できるよう支援する。同サービスは、総務省の「インターネット上の偽・誤情報等への対策技術の開発・実証事業」の採択を受けて開発・実証され、2026年1月に公開された。
株式会社天六部屋
生成AI・機械学習、eKYC・認証基盤、コンテンツ真正性に関するシステム開発を手がける。コンテンツ認証サービス「ORIGINOTE」では、C2PA規格に準拠した電子署名を画像などに付与し、作品の出所や真正性を証明。署名後にコンテンツが改変された場合には、その改ざんを検知できる仕組みを提供している。
また、画像に埋め込まれたC2PA署名の有効性を確認する検証ツールも提供。AI生成画像か人が撮影・制作した画像かを分析する機能や、来歴情報、編集履歴、権利情報などを確認する機能も備える。生成AIによる偽画像やなりすましが広がるなか、コンテンツの出所や編集履歴を検証できる仕組みの構築に取り組んでいる。










