ショート動画マーケティングのNatee、事業の多角化で新たなステージへ

ショート動画マーケティングのNatee、事業の多角化で新たなステージへ

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KEPPLE編集部

動画クリエイターを起用し、マーケティングを支援する株式会社Natee(ナティ)がシリーズBラウンドにて、第三者割当増資と金融機関からの借入により約4.2億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、XTech Ventures、キュービックベンチャーズ、ベネッセホールディングス、リヴァンプ、静岡キャピタル、GMO NIKKO、複数名の個人投資家。

今回の資金調達により、スクール事業やバーチャル事業など新規ビジネスの開発に取り組み、さらなる市場拡大を図る。

ショート動画によるマーケティング支援

Nateeは、ショートムービーのクリエイターを起用することにより、TikTokを始めとする縦型動画媒体でのマーケティングを支援している。短尺動画の企画・制作から広告運用まで一貫して担うのが強みだ。

また、クリエイターのデータベースを自社開発。9000人のクリエイターと、250万件の動画を登録している。案件に応じて、人気動画やフォロワー数の推移といった一人ひとりのデータをもとにクリエイターをアサインし、クライアントへ提案する。これまで案件を依頼したクリエイターは800人を超え、2022年4月時点で150社のプロモーションに採用されている。

サービス資料画像
同社はTikTokの公認MCN(マルチチャンネルネットワーク:動画投稿者のタレントマネジメントおよびメディア制作・配信をサポートする組織)でもある。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO小島 領剣氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

企業とクリエイターのハンドリングが肝心

―― 創業のきっかけを教えてください。

小島氏:インターネットの動画コンテンツにおいては、スマートフォンというデバイスに最適化された縦型短尺のショートムービーが爆発的に増えていくだろうと確信して、4年前に創業しました。

メディアの変遷は、テクノロジーによるものだと認識しています。例えば、インターネットに限ると、一番影響が大きいのはデバイスの変わり目です。スマホがパソコンに取って代わったことで、人間の行動が変わり、写真だけでなく動画も縦型で撮ることが多くなりました。また、通信速度の向上につれて人は多くの情報を求めるようになるため、常に情報が流れてくるメディアが力を持ちます。

YouTubeはパソコンでの視聴を前提に作られているので、スマホで撮る動画には最適化されていませんでした。そんな中で、初めてスマホに特化した動画共有サイトとして登場したのがTikTokです。私が10年来、提唱している「個性と才能が生きる社会をつくる」というミッションを、YouTubeの次のプラットフォームで成し遂げようと考え、戦略的にTikTokというフィールドを選んでこの事業を始めました。

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―― コンテンツ制作において重視していることは?

商品を売りたいクライアントと、自分のテイストでファンに良い情報を届けたいクリエイターのバランスをとることです。これは当社の要となるクリエイティブディレクターの仕事で、現在20人ほどが担当しています。どちらかの言うことだけを聞くのではなく、中庸であることに価値がある。求められるテイストや必要な訴求を満たしながら、クリエイターをハンドリングするのが私たちの一番の強みだと思っています。

プロモーションが上手くいったケースでは、クリエイターがファンの人から褒められるという、今までになかったカルチャーも生まれています。クライアントの成果にコミットしながら、クリエイターやそのファンが喜ぶ動画を作ることが大事です。

バーチャル領域などの新規事業にも着手

―― 資金調達の使途について教えてください。

まずは人材の採用です。ショートムービー事業で営業の役割を担うアカウントプランナー、先述したクリエイティブディレクター、そして新規事業のリードエンジニアの採用で、新たな組織づくりを図ります。特にエンジニアは現在の2名体制から10〜15名ほどに拡大したいと考えています。

また、今回のリード投資家であるベネッセホールディングスと共同で、クリエイター向けのスクールプロジェクトを検討しています。これからのクリエイターがステップアップし、自立できるような基盤の確立を支援します。

さらに、R&Dとしてバーチャル事業にも着手しました。表現活動が多様化する中で、バーチャル領域の最前線にいる方のサポートや、活動のプラットフォーム作りなどにチャレンジしています。

―― 今後の展望を教えてください。

この4年間で「TikTokならNatee」というブランド認知度が向上したと思っています。今ではさまざまな媒体でショート動画の需要が増え、クライアントからのニーズも高くなりました。そこで、Instagram Reels、YouTubeショート、LINE VOOMの3媒体への対応もスタートしました。TikTokで通用した手法は他媒体でも通用すると考え、さらに横展開を進める予定です。

これと並行して、常に2本目3本目となる事業の柱を作りたい。トライアンドエラーを繰り返しながら、バーチャルなど最前線の領域へのチャレンジを続けていきたいですね。2022年の間はずっとこれに取り組んできたので、来年には芽が出ればいいなと思っています。

Great Companyへの進化を目指して

―― 長期的にはどのような会社に成長していきたいと考えていますか。

僕らが目指しているのは、リクルートやサイバーエージェントといった、日本を代表する企業です。そのためには広告の会社で終わらせず、新規事業を含めていくつもの事業にチャレンジする必要があります。ゆくゆくは売上成長率が高く、かつ、組織が熱狂している会社にしたいです。採用については、同じ熱量を持った仲間探しだと思っています。そういう方が集まってくれたら嬉しいですね。

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