採用イネーブルメントSaaS「RekMA」—Haulが挑む人手不足時代の新たなソリューション

採用イネーブルメントSaaS「RekMA」—Haulが挑む人手不足時代の新たなソリューション

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KEPPLE編集部

採用管理システム「RekMA(リクマ)」を開発するHaulが、第三者割当増資による総額5億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先はArchetype Venturesとジェネシア・ベンチャーズ。

内定承諾率100%も 採用イネーブルメントSaaS

Haulの設立は2018年。AIスタートアップのABEJA出身の平田 拓嗣氏が設立した。設立当初は人事コンサルティングとして、約50社の採用や組織作りに関する支援をした。支援する企業の多くが抱えていた課題を解決すべく開発を進めてきたのが、今回の資金調達とあわせて正式リリースを発表したRekMAだ。

RekMAは企業の「採用力強化」に主眼を置いたプロダクト。選考途中での状況に応じたヒアリングやオファーレター作成など、トップリクルーターの行動をプロダクトで再現することで採用決定力の向上を支援する。候補者との接点ごとに最適なアクションをすることで、選考時の候補者体験を引き上げる点も特徴だ。

RekMAはこれまでに、スタートアップや上場企業など幅広い企業34社が導入した。選考時の候補者の意向を引き上げることで、60%弱の内定承諾率が3か月連続で100%に向上した事例もあるという。

2022年にはテック企業の技術スタックや業務ツールをまとめたデータベースサービス「what we use」を買収した。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 平田氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

求める人材に出会えない・採れない 必要なのは「採用力強化」の仕組み

―― プロダクト開発のきっかけは?

平田氏:以前在籍していたAIベンチャーのABEJAには創業期に1桁社員として入社しました。シリーズCのフェーズでは役員直下で事業開発や営業、HR部門立ち上げなどに携わりました。その後独立して設立したのがHaulです。

Haulでは人事コンサルティング(HRBP)として、これまで50社以上の採用業務に携わってきました。各社共通して抱えていたのは「採りたい人が採れない」という課題です。

作りこむのが難しい採用実務の領域で、担当者や企業規模が変わっても「採るべき人に出会い・採用できる」サイクルを構築できるサービスがあればと考えたのがRekMA開発のきっかけです。

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―― 「採りたい人が採れない」とはどういうことでしょうか?

近年、少子高齢化により労働力人口は急激に減少しています。加えて新卒の短期離職も増え、採用市場では中途採用比率が5割に迫っているのが現状です。良い人材の取り合いが年々激しくなり、約6割もの企業が人員計画通りの採用をできていないといいます。

十分な採用ができなければ事業成長の遅れにつながります。また、採用経路の構成においてエージェント比率が高い場合には採用コストもかさみ、ミスマッチも増えてしまいます。

採用業務自体も年々複雑化しています。2010年代からダイレクトリクルーティングやリファラルなど採用チャネルが増えました。チャネルが増えたことで採用管理(ATS)サービスや採用代行(RPO)サービスが台頭し、ミスマッチ対策のリファレンスチェックやタレントマネジメントなどの新カテゴリーが乱立してきたといった具合です。

採用ソリューションが増えても、一番重要な「求める人材を採る」という採用強化のソリューションが市場には不足しています。採用成果につながるプロセスは、各社それぞれ属人的で秘伝のタレ化してしまっているのです。

―― こうした課題をRekMAでどのように解決するのでしょうか?

開発を進めるRekMAは、従来のように候補者を「見極める」のではなく、候補者の入社意欲を高める「アトラクト採用」により採用決定率向上を実現する新たなカテゴリーのサービスです。生成AIを活用することで、誰でもトップリクルーターの業務を再現できるようにしています。

重要なのは、候補者とのタッチポイントごとに心地よい体験を作っていくことです。そのために候補者の心境や承諾/辞退のデータを活用しています。生成AIを活用して面接後のメッセージやオファーレターの作成を効率化することで、候補者の途中離脱や辞退を減らし、企業の採用力向上を支援しているのです。

今後の要はプロダクト開発、BtoC領域も

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

今回5億円の資金調達を実施し、累計調達額は6.5億円になりました。主な資金使途はプロダクト開発と人材採用です。単一のプロダクトではなく、コンパウンドなプロダクト開発を進めるために初期から大きな投資が必要となります。現在10名程度の組織ですが、2024年中に20名、2025年には45名程度にまで組織を拡大していきます。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

今後は選考過程のデータを軸に、「個人と企業の出会いの最適化」を実現するBtoB・BtoC両面のソリューションを作りたいと考えています。特に、求職者の転職活動を支援するアプリや、選考データの利活用で候補者の価値証明ができるようなプラットフォームのイメージです。データを活用する中で新たな企業とのマッチングや副業・兼業の機会提供など、ありとあらゆる個人のキャリアをエンパワーメントしていきたいと思います。

「採りたい人が採れない」という課題はすでに多くの企業にとって顕在化している問題です。一方でこれまで解決策がなかった。実際にRekMAを利用する企業は短期間で成果が出ています。必ず成果を創出できるような製品だと確信しておりますので、ぜひ多くの企業に使っていただきたいと思います。

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