宇宙から地球へ“戻す”輸送インフラへ──ElevationSpace、シリーズBで64億円調達


宇宙空間での電力供給インフラの構築を目指すZero Industries, PBCは、プレシードラウンドで300万米ドル(約4.7億円)を調達したと発表。前澤ファンドをリード投資家として、UntroD Capital Japan、NOW、Midtown、個人投資家らが参加した。
Zero Industriesは、米国カリフォルニア州サンフランシスコに本拠地を置く宇宙スタートアップだ。2026年3月には日本法人のZero Industries Japan株式会社を設立した。16歳の杉原 海氏が創業者兼CEO、19歳の藤井 佑成氏が共同創業者兼CTO、20歳の谷 昊埜氏が共同創業者兼COOを務める。杉原氏はこれまでにウェブ・アプリ開発やAI関連サービスなど7社の創業・運営に携わった経歴を持つ。藤井氏はレーザー物理や制御系の技術開発、谷氏は財務や市場開拓、組織運営を担当する。
同社が開発する「Helios」は、宇宙空間で発電した電力をレーザーで軌道上の衛星に供給する送電サービスだ。送電衛星「Helios Beam」、顧客の衛星に取り付ける受電モジュール「Helios Cell」、送電を管理する運用システム「Helios Grid」の3つで構成される。
現在の人工衛星は、主に搭載した太陽電池パネルで電力を確保しているが、地球の影に入る間は発電できない。同社は、外部から電力を供給することで、衛星に搭載する発電設備や蓄電池の重量を減らし、観測機器や計算機などに割り当てられる重量を増やすことを目指す。数百km離れた衛星への送電や、複数の衛星への同時送電も設計上の目標としている。
技術開発では、光産業創成大学院大学(GPI)の藤田和久研究室と、衛星向けレーザー無線電力伝送の共同研究を進めている。受電素子(レーザー光を電力に変換する部品)の性能評価や、屋外でのkm級の送電実証に向けた技術検証、評価手法の整備などに取り組む。
今後は、2026年秋から2027年春にかけて地上での送電実証を進め、2027年後半には軌道実証機の設計に着手する計画だ。2030年に初号機による衛星間送電の実証、2032年までに商用送電衛星の投入と顧客への電力供給開始を目指す。
初期の供給先には地球観測衛星や軌道間輸送機などを想定している。将来的には宇宙データセンターや軌道上の工場、月面拠点への展開も視野に入れ、宇宙空間での電力供給サービスの事業化を進める方針だ。
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