ユートニックが、シリーズAラウンドで総額5.2億円を調達ーークリエイター向けFintechサービスの展開へ

フォートナイトをプラットフォームとしたゲーム開発を手掛けるスタートアップ株式会社Anthrotは、ベンチャーキャピタルEast Venturesを引受先とする第三者割当増資により、2500万円の資金調達を実施した。調達資金は、海外からの高度人材確保やプロモーション強化に充てられる計画で、2025年6月に予定されている新作ゲームのリリース体制を強化する。
Anthrot は2023年5月設立のスタートアップで、Unreal Editor for Fortnite(UEFN)を活用し、フォートナイト内で“建築×銃撃”ジャンルの大規模ゲームタイトル開発に特化している。現在はグローバルユーザー向けの高品質なゲーム体験の提供に注力しており、同ジャンル内でのプレゼンス強化を目指している。ゲーム開発に加え、ゲーム内広告事業にもサービス領域を広げている。
ゲーム業界全体、特にフォートナイトをはじめとするUGC(ユーザー生成コンテンツ)市場は世界的に成長を続けている。フォートナイトは5億人超の登録ユーザーと1400万人以上のデイリーアクティブユーザーを抱えるなど、巨大なプラットフォームに成長している。UGCゲームは、開発コストを抑えつつ収益性が見込める分野として、Epic Gamesをはじめとする企業が積極的に市場開拓を進めている。加えて、ゲーム内広告の市場も拡大傾向にあり、2024年時点で世界全体の市場規模は約62億米ドルと推計されている。海外ではAtlas CreativeやTeam Unite、国内ではLand Ho!などが同分野で事業展開している。
今回の資金調達を受けて、海外のプログラマーやVFXアーティストの採用を加速するほか、グローバル市場向けのプロモーション活動にも注力する方針だ。2025年6月にリリース予定の新作タイトル「FINISHERS:RELOAD」にあわせて、YouTubeライブ等を活用した認知拡大施策や、ゲーム内体験型広告による企業パートナーとの連携も進める計画である。同社は少数精鋭のチーム編成を採用しており、社内公用語を英語とするなどグローバルな組織体制を構築している。
フォートナイト内の“建築×銃撃”ジャンルはユーザーの支持が厚い一方、Epic Games自身による公式コンテンツの拡充や、Atlas Creativeなど有力UGCスタジオの参入によって競争が激化している。こうした状況下で、Anthrot Entertainmentはゲーム体験の質や独自性、広告サービスの設計などによる差別化が事業継続の鍵となる。また、ゲーム内広告のマネタイズモデルについては、業界全体で国際的な規制やユーザー体験との両立といった課題を抱えている。
今後は新作ゲームの開発と並行して、企業パートナーと連携したゲーム内広告事業の強化も進める。ユーザー体験を損なわない広告設計が求められる中、フォートナイトの大規模なユーザー基盤を活用したエンゲージメント拡大の可能性も見込まれている。今回の資金調達を通じて、開発力の強化と市場接点の拡大を目指す構えである。
画像はAnthrotプレスリリースより
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